2000年の時を経て地底からよみがえった悪の帝国「バグナラク」からチキューの人々を守る、5人の王の活躍を描くスーパー戦隊シリーズ『王様戦隊キングオージャー』(毎週日曜9:30からテレビ朝日系で放送中)に、新たなる戦士が登場する。
強烈な個性派ぞろいの5人に決して引けを取らないインパクトを備えたその戦士の名は、スパイダークモノス/ジェラミー・ブラシエリ。彼はなんと、クワガタオージャー/ギラと4大国の王たちとのぶつかりあいや、バグナラクとキングオージャーの激しい争いなどを視聴者であるわれわれに伝えてきた「語り部」、つまりナレーターとして、すでに第1話冒頭から「声」だけ登場していた。
なぜジェラミーが語り部を務めていたのか、そしてどうして王様戦隊とバグナラクとの戦いに割り込んできたのか、非常にミステリアスなジェラミーの詳細は、エピソードの進行と共にだんだんと明かされていくことだろう。
新戦士登場を記念して、ジェラミーを演じる池田匡志に単独インタビューを敢行。スパイダークモノスに「王鎧武装」するヒーローでありながら、争いそのものが嫌いというユニークな性格のジェラミーを魅力的に演じるため、どのようなことを心がけているのか、そしてスーパー戦隊シリーズ恒例となる「追加戦士」の立ち位置についての思いを聞いた。
――ジェラミーの衣装は清潔感のある「白」を基調にして、そこにクモの巣のような金色のラインがあしらわれています。ギラたち5人とも印象が異なるゴージャスさを備えたジェラミーの衣装を最初に着たときは、どんな感想を持たれましたか。
こんな王子様みたいな衣装、カッコ良すぎでしょ!と思い、すごくテンションが上がりました。もともと白が好きで、普段から真っ白な服を着ることが多いんです。オーディションのときも、全身白でいきました(笑)。役が決まって、この衣装を身に着けることができて、とても嬉しく思います。
――右腕だけ「手袋」をはめているのがとても印象的です。カッコいいのですが、なぜ片方だけ手袋なのか、それには理由があったりするのでしょうか。
もちろんありますが、今は言えないんです。これから物語が進むにつれて明かされていくので、楽しみにしていてください。
――池田さんの語りは「~~、とさ!」と、優しいお兄さんが子どもたちに絵本を読み聞かせするような柔らかな印象がありましたが、ナレーションなど声のお仕事を以前にされていたのですか。
いえ、ナレーションの経験はなく、僕にとっては未知の分野でした。声に自信があったわけではないので、うまく出来ているか心配でした。
――声がとてもよく通り、ファンタジックな世界観にマッチしていたと思います。これまで、ずっと声(語り部)としての登場だったのが、あるポイントからジェラミーとして画面に姿を見せる展開になると思いますが、その「瞬間」を迎えたときの感想を聞かせてください。
どこかのエピソードで、ナレーションの中でふと「ジェラミーとしての思い」が浮き出るような瞬間が出てきます。僕としてはやっぱり「ついに、この時が来たか……」という、ワクワクするような気持ちになりました。
――ジェラミーはいわゆる「追加戦士」のポジションですが、キャストオーディションはギラ役の酒井大成さんたちと一緒に参加されたのですか。
そうです。最初からみなさんと一緒にオーディションを受けていました。レギュラーのあと、追加戦士を決めるオーディションがあり、数回の審査を経て、ジェラミー役に選んでいただきました。
――池田さんは子どものころ、どんな特撮ヒーローが好きでしたか?
すごく好きだったのは『仮面ライダー555(ファイズ)』(2003年)ですね。変身ベルトの玩具を買ってもらって、ずっと遊んでいました(笑)。同じ時期に放送されていた『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003年)もよく観ていました。また、オーディションを受ける前に、参考として『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022年)を観たり、東京ドームシティ・シアターGロッソの『ドンブラザーズショー』に行ったりしました。
――ドンブラザーズもご覧になっていたんですね。大人になってからヒーローショーを観ると、子ども時代を思い出したりしませんか。
僕の地元・徳島ではGロッソのような大規模なショーはなかったと思うのですが、ヒーローショーは幼いころよく観に行って、楽しんでいました。『ドンブラザーズ』を観ると、そのころの思い出がよみがえってきました。『ドンブラザーズ』は奇抜なヒーローだと聞いていましたが、ヒーローのたたずまいは何年たっても変わらない、常にカッコいいもの。とても勉強になりました。
――追加戦士は、レギュラー戦士たちと行動を別にしたり、変身アイテムやポーズも違っていたりします。池田さんはスーパー戦隊ではレギュラー戦士と追加戦士で、あえて言うならどちらが好きですか。
難しい質問ですが、追加戦士のほうが好きですね。一匹狼のイメージで、メンバーと少し距離を置いているところなんて追加戦士ならではの魅力がありますよね。そしてなんといってもカッコいいですから(笑)。