23年2月に発売され、話題を呼んでいる小型食洗機『SOLOTA』。ひとり暮らし向けに開発された商品のとのことですが、果たして、本当にひとり暮らしの役に立つのでしょうか?
そこでこの記事では、実際にひとり暮らしをしている筆者が、SOLOTAを3週間ほど使った感想を詳しく紹介。把握したメリット・デメリットを交えつつ、正直なレビューをお届けします!
洗える食器は6点前後
SOLOTAで一度に洗える食器の数は6点前後。公式サイトには、小皿・中鉢・ご飯茶碗・汁椀・グラス・大皿を実際に入れた画像が掲載されています。
なお、筆者は小皿を使う機会がほとんどないため、一度に洗っている食器は5点ほど。
しかし、深めの丼ぶりを使用した日は、洗える食器が4点まで減少することも。食洗機に収まりきらない食器を手で洗う必要が生じ、「食洗機を買った意味があるのか? 」と疑問が生じる時もありました…。
一方、大きなメリットだと感じているのが、水筒を手軽に洗える点。スポンジを水筒の底まで押し込む手間がなくなり、日々のストレスが激減しました。
加えて、SOLOTAの洗浄工程には熱湯による除菌効果があるため、水筒を手洗いよりも清潔な状態で保管可能。水筒を持ち歩く機会が多い筆者にとって、とても嬉しいポイントでした。
SOLOTAのかごに入る食器の大きさは、大皿は直径23cmまで、グラスや水筒は高さ21cmまで。ワンプレートや大人数用の特大皿は入りませんが、ひとり暮らしの食生活には十分な収納力だと感じています。
汚れ落ちは良好◎乾燥は微妙?
汚れ落ちに関する満足度はかなり高め。カレーやキムチを盛りつけた皿から、コーヒーを入れた水筒まで、きれいに洗い上がります。
一方、乾燥能力にはまだまだ改善の余地がありそう。SOLOTAには送風による乾燥機能がついているものの、マグカップの裏底や水筒内の水気は完全には取れないため、布巾などで拭く工程が必要です。
タンク給水は少し面倒
分岐水栓がいらないSOLOTAの給水方法は、手動によるタンク式。一度に使う水の量は2.5 Lのため、タンクへ水を入れる工程にそこまで時間はかからないものの、少し面倒に感じることもありました。
給水に手間がかかる反面、洗浄後のメンテナンスはとても簡単。残さいフィルターに付いた汚れを取るだけなので、1分弱で完了します。
筆者の場合、SOLOTAへ食器と洗剤をセット→タンクへ給水までの必要時間はおよそ3分。メンテナンスは1分ほどで終わるため、合計で4分の時間がかかる計算になります。
1回の手洗いにかかる時間を10分と仮定すると、一度に節約できる時間は6分前後。筆者は1日2回食器を洗うため、1日で約12分の時短につながっています。
電気代増加&水道代削減をふまえたコスパは優秀
SOLOTAの消費電力を東京電力の電気使用量グラフで確認したところ、SOLOTAが稼働している間でも、電気使用量の変動はごくわずか。SOLOTAの導入によって電気代が大幅に増えるリスクは低いといえそうです。
また、パナソニックのスペック表示によると、SOLOTAの運転1回あたりの消費電力量は約230Wh。電力量料金を27円/kWhとして計算すると、1回の使用にかかる電気代はおよそ6.21円でした。
対して、SOLOTAの運転1回あたりの水道代の節約額は約3.5円(水道料金を0.2円/Lとして計算)。
パナソニックの公式サイトによると、食器6点と小物4点をSOLOTAで洗う場合、手洗いに比べて1回あたり17.5Lの水を節約でき、水道代に換算すると3.5円ほど費用が抑えられることがわかりました。
電気代と水道代の差額を計算すると、SOLOTAを1回使用することで増える出費は約2.71円(洗剤代は含めず)。3円以下で手洗いにかかる時間やストレスから解放されると考えれば、かなりコストパフォーマンスに優れた家電といえそうです。
ひとり暮らしに嬉しい『SOLOTA(NP-TML1)』のプラスアルファな特徴3点
今回、洗い物嫌いの筆者がSOLOTAを選んだ主な理由は「パナソニック製」「分岐水栓不要」「小さめサイズ」の3点。
まず、パナソニックはすでに多数の食洗機を販売しているメーカーのため、洗浄力や耐久性に信頼性があり、安心して購入できる点が購入の大きな決め手でした。
加えて、パナソニックの他の食洗機では必須となる「分岐水栓の取付工事」が不要な点も、SOLOTAのメリット。
ケースによって金額は異なりますが、分岐水栓を取り付ける費用は、分岐水栓本体と取付工事の代金を合わせておよそ2万円。また、分岐水栓を取り付けた物件を退去する際は、水道を復旧するための工事費用もかかります。
なにかとお金が必要なひとり暮らしにとって、4万円弱の本体を購入した後さらに2万円以上の出費がかかるのはかなりの痛手。支出をなるべく抑えるために、分岐水栓なしで使えるSOLOTAを選択しました。
最後の注目点である「小さめサイズ」は、パナソニックが最もアピールしているSOLOTAの優秀ポイント。”ほぼA4ファイル”という驚異のサイズに設計されており、ひとり暮らしの狭いキッチンでも、SOLOTAを置きつつ、その他の作業スペースも確保できました。
設置の注意点&ポイントは?
さまざまなメリットがあるSOLOTAですが、設置にあたってはいくつかの注意点が。SOLOTAを設置する際、筆者が特に注意した2つの点を解説します。
まず一つ目の注意点は、SOLOTAを置けるかどうかの判断には、本体の大きさに加えて、”周囲のスペース”を考慮する必要があること。
SOLOTA本体のサイズは(約)31×22.5×43.5cmですが、実際に設置するためには、上部にプラス18cm、本体と壁面の間に1.7cm以上の隙間を空けなければなりません。
また、コンロ等の熱源を使用する場合は、SOLOTAと熱源の間を15cm以上離す必要も。自炊でコンロやIHヒーターを頻繁に使う方や、コンロとシンクの間にほとんどスペースがない方は、SOLOTAを安全に使うためにも、設置場所を事前に計測しておきましょう。
2つ目に注意するポイントは、アース線接続が必須である点。キッチンの近くにアース線の差込口がない場合は、SOLOTAの置き場所を変更するか、アース線の延長や増設工事を業者に依頼する手間が生じます。
ちなみに筆者は、シンク横への設置ではアース線の長さが足りなかったため、使わないコンロを食洗機用の置き台で塞ぎ、その上にSOLOTAを設置。洗濯機近くのアース線差込口へぎりぎり接続しました。
筆者自身は普段コンロを使わないので困っていないものの、「火を使った調理をしたい」という方にはなかなか厳しいこちらの手法。事前にアース線の差込口を確認し、アース線の接続ができるかどうかを判断しておくのがおすすめです。
その他、使って感じたデメリット
これまで紹介した以外に、SOLOTAを実際に使って感じたデメリットは2つ。
1点目のデメリットは、運転音の大きさです。SOLOTAの運転音は公式サイトには約41dB/43dBと記載されており、図書館や静かな住宅街の昼間の環境音とほぼ同等レベル。
しかしながら、キッチンと居室の距離が近い1Kの間取りである筆者の家では、居室にいても「スマホで流しているYouTubeやラジオの音が聞こえづらい」くらいの運転音が伝わってきました。
2点目のデメリットは、スプーンや箸、フォークといった食具類が意外と入らないこと。カゴの中には食具を入れるのに適したスペースが2箇所設けられているものの、箸一膳とスプーン2本、小さじ1本ほどで埋まってしまい、少し物足りなさを感じました。
洗い物嫌いの人には救世主。役立ち度は満点でした
やることが多いひとり暮らしの方にとって、たしかに役立つ家電だった小型食洗機『SOLOTA』。洗い物嫌いの方にとっては、日常のストレスから解放してくれる救世主のような家電であり、購入は”あり”だと感じています。
個人的には、油汚れが付いた皿や、コーヒーを入れた水筒など、手洗いでの洗い残しが気になる食器をきれいかつ簡単に洗える点が、特におすすめしたいポイント。洗い物の時間と悩みが減るため、億劫になりがちな自炊へのハードルが下がり、食費の削減につながるかもしれません。
なお、もう少し食器の収納点数が多く、運転音が小さい機種があればさらに良いな、という思いも。現行のSOLOTAを愛用しつつ、新たな機種の誕生を期待しています…!!