映画『水は海に向かって流れる』(6月9日公開)の完成披露試写会が10日に都内で行われ、主演の広瀬すずをはじめ、大西利空、高良健吾、戸塚純貴、當真あみ、生瀬勝久、前田哲監督が登壇した。
同作は田島列島氏による同名漫画の実写化作。高校への通学のため、叔父の家に居候することになった高校1年生の直達(大西)は、親に黙って脱サラしたマンガ家である叔父(高良)、女装の占い師(戸塚)、海外を放浪する大学教授(生瀬)、そしてどこか冷めていて笑わない26歳のOL榊さん(広瀬)と、曲者揃いの人物とシェアハウスで暮らすことになる。共同生活を送るうち、日々を淡々と過ごす榊さんに淡い思いを抱き始める直達だったが、「恋愛はしない」と宣言する榊と自分との間には思いも寄らぬ因縁があることを知る。
OL役に初挑戦した広瀬は、「なんでこの役の話が私に来たんだろう? と……。たぶん妹や末っ子のイメージが強いと思うので、え? と思った」と戸惑いもあった様子。「実際にも利空くんとも年齢が離れているので、リアルな距離感はあまり苦労せず」と前向きに臨んだようで、「楽しく演じさせてもらいました」と笑顔を見せた。さらに広瀬は、劇中に登場する猫が生瀬の上で寝てしまったという撮影中のエピソードを披露。生瀬が「うちで猫を飼ってまして……」と切り出すと、突然、前田監督が爆笑し、これには生瀬も思わず「うちは猫を飼っちゃいけないの!?」と嘆いて盛り上げた。
また、広瀬の初主演ドラマで共演していた生瀬は、「(今作で長編映画初出演となった)あみちゃんみたいに緊張していて、それから彼女の成長をそばで見ている気がして……」と感慨深げな表情。さらに「とにかくかわいくて、元気があってやる気しかなかった少女がこんなお芝居をするようになったと思って……」と涙を隠す仕草を見せるも、広瀬が「全然目、カラッカラですよ!」とツッコミを入れて笑いを誘った。
そんな広瀬も「16歳で初めての主演ドラマの現場ですごく話すシーンがあって」と新人時代を思い出し、「生瀬さんが、人と会話するときにどうしたら伝わるかとかコツじゃないですけど、何日も何日も話してくださって。こんなに向き合ってくださる先輩いるんだと思いました」と回顧。今回の再共演についても、「台本を読んで生瀬さんが出ることを知って、いちばん嬉しかったです! 光栄です」と喜びを伝えていた。