JR東日本は9日、預入れがおもな用途となっているロッカーについて、ウェブアプリ上で空き状況の検索を充実させるほか、「予約、預入、受取、発送」の1台4役の機能を整備するなどロッカーの多機能化を進め、駅を物流の拠点にすると発表した。この試みを推進するため、2023年7月3日に「株式会社JR東日本スマートロジスティクス」を設立する。

  • 今回実現するサービスの概要図(JR東日本提供)

駅を物流の拠点とすることで、ECビジネスにおけるラストワンマイルの課題や、物流の2024年問題が抱えるドライバー不足等の社会的課題の解決に貢献するという。駅の利便性向上を通じ、JR東日本グループ経営ビジョン「変革 2027」に掲げる「日常生活における時間価値を高めるサービス」の実現を加速させ、「Beyond Stations 構想」(駅のあり方を変革する構想)も推進する。

今後3年間で、新型ロッカーを首都圏に約1,000台(約3万口)導入。需要に応じて各種サービスに割り当てるロッカー口数を変動させることで、各駅のニーズに適したサービスを提供する。冷蔵機能を搭載したロッカーも導入し、多様な預入・受取に対応できる環境を整備する。

ECで申し込んだ商品を生活動線上の駅で便利に受け取れるライフスタイルも提案し、将来的にはエキナカ・駅ビル等の商品を営業時間外に受け取れるようにする。列車荷物輸送「はこビュン」を活用した産地直送の商品の受取りも可能になるほか、クリーニングや薬局などとの連携を通じてロッカーを拠点とした受取りを推進する。

  • 事業再編イメージ(JR東日本提供)

新会社のJR東日本スマートロジスティクスは、JR東日本クロスステーションの子会社である東京ステーション・サービスのロッカー事業と、JR東日本環境アクセスのロッカー事業を統合して設立。ジェイアール東日本物流の100%子会社とし、ロッカーと物流の連携を推進する。