JR東日本とJR西日本は9日、相互直通運用を行う北陸新幹線のE7系・W7系をベースに、自動運転の実現に向けた技術検討を協力して進めると発表した。両社は2023年4月に覚書を締結しており、自動運転の実現に向け、システム開発やコスト軽減などで協力する。

  • JR東日本とJR西日本は、E7系・W7系をベースに自動運転の実現に向けた技術検討を協力して進める(JR東日本提供)

JR東日本は、グループ経営ビジョン「変革 2027」に掲げるドライバレス運転「GoA3」「GoA4」実現のため、ATO(自動列車運転装置)の開発を進めている。2021年度には、上越新幹線の新潟駅から新潟新幹線車両センターまでの区間で回送列車による自動運転の試験を実施した。

今後、これまでの試験等で得られた知見をもとに、2020年代末に上越新幹線の新潟駅から新潟新幹線車両センターまでの回送列車で「GoA4」、2030年代中頃に東京~新潟間の営業列車で「GoA3」のドライバレス運転実現をめざす。

一方、JR西日本は、技術ビジョンのめざす姿として「人と技術の最適な融合」を掲げ、「自動運転技術による安全性と輸送品質向上」の実現に向けた技術の開発に取り組んでいる。

  • 新幹線自動運転の導入を検討する区間(JR東日本提供)

2022年度以降、自動運転機能の要素技術開発として、北陸新幹線白山総合車両所敷地内にて、車両を自動で加速・減速させ、定められた位置に停止させる制御装置など、自動運転機能の評価と課題抽出を行うための実証試験を実施している。今後は北陸新幹線での自動運転実現に向けたシステム開発やコスト軽減などの検討を進めるとのこと。