キリンホールディングスでは昨年(2022年)より全国の小学校にて、楽しく「免疫」について学べる特別授業『免疫ケアで健康な毎日を! 』を展開中だ。これまでに1万人以上の小学6年生が参加しており、その約9割が「授業に満足した」と回答しているという。どんな内容なのだろうか? 江戸川区立二之江小学校にて5月8日に実施された特別公開授業を取材した。

  • 特別授業『免疫ケアで健康な毎日を!』とは?

■これまで以上に健康を意識して

本教材は、キリンの35年以上にわたる研究成果、および「免疫ケア」の啓発活動で培った知見を活かした内容。教育現場に詳しいARROWSが開発に協力している。2022年には全国41都道府県の177校から教材の申し込みがあったという。

  • 江戸川区立二之江小学校(東京都江戸川区江戸川5丁目18-3)

二之江小学校では6年1組、6年2組の計76名が参加した。その冒頭、担任の兼田先生は子どもたちに向けて、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5月8日より5類に引き下げられたことを分かりやすく説明。そのうえで「学校では4月より『マスクを外しても良いですよ』と言ってきましたが、今日からはこれまで以上に、自分たちで健康意識を高めていく必要があります」と呼びかける。

  • 6年2組の担任の兼田先生

子どもたちの手元にはビンゴシートが配られた。あらかじめ2箇所には「手を洗う」「外で遊ぶ」の文章が入っている。ここで「皆さんが健康のために、普段からやっていることを空欄に書いてください」と兼田先生。授業内容を”自分ごと”にしてもらう狙いだ。

  • ビンゴシートに書き込む児童

5分後、先生から発表された模範解答は「栄養のある(バランスの良い)食事をとる」「適度な運動をする」「十分に睡眠をとる」「ストレスをためない」「空気の乾燥に注意する」「身体を冷やさない」だった。子どもたちのシートには「歯みがきする」「顔をあらう」「風呂に入る」などの解答も見られた。

  • 健康のために、普段からしていることは?

次に「免疫」について学んでいく。ここで用意されたのは、主人公の勇者(免疫)が、体内に侵入する外敵(ウイルス)と戦う、という筋書のアニメ。免疫は簡単に低下してしまうものであり、免疫が下がればウイルスに抵抗できなくなってしまう、と説明する。では、免疫を上げるために必要なことは? 規則正しい生活、適度な運動、栄養バランスの良い食事、休養(十分な睡眠)の4つに気を付けてください、と兼田先生。

  • アニメで、免疫の働きについて学ぶ

アニメの後半では、「毎日おふろに入って疲れをとる」「たくさん笑う」「乳酸菌をふくむ食品をとる」ことも、免疫を上げために効果的であると説明。そして免疫はチーム制であり協力しあってウイルスと戦うが、プラズマ乳酸菌の力を借りれば、複数の免疫に指令を出せる王様(プラズマサイトイド樹状細胞 pDC)を活性化できる、とした。

  • プラズマ乳酸菌があれば、免疫勇者たちに指令を出す王様を活性化できる

ちなみにキリンホールディングスでは5月8日より、啓発活動「げんきな免疫プロジェクト」をスタートしている。キリンをはじめ、森永製菓、第一三共ヘルスケア、常盤薬品工業など全13社が参加した取り組みで、自治体とも連携。子どもから大人まで、1人ひとりが「免疫ケア」で健康に過ごせる毎日の実現を目指していく。二之江小学校の校舎内には、すでにNHKの人気キャラクター「チコちゃん」をイメージアイコンにした同プロジェクトのポスターが掲示してあり、子どもたちにも「免疫」は身近な話題となっていることがうかがえた。

  • 啓発活動「げんきな免疫プロジェクト」のポスター

  • 廊下にも貼られていた

さて特別公開授業の最後には、なぜいま免疫について学ぶ必要があるのか、あらためて考える時間がもうけられた。子どもたちからは「インフルエンザと同じ扱いになった新型コロナウイルスですが、これからも感染しないよう、皆んなで健康に過ごすためだと思います」「5類に移行するタイミングなので、油断しがち。うがいしなくても大丈夫でしょ、って思っていると感染しちゃうから、免疫ケアを学んだほうが良いと思いました」「世界にはまだ色んな病気があります。新型コロナウイルスのような病気が出てきても対策できるように、これからも免疫ケアが必要だと思います」などの意見が出ていた。

  • なぜ、いま免疫について学ぶ必要があるのか?

  • しっかりとした意見が出ていた

  • タブレットを使って授業の満足度アンケートに回答する子どもたち

最後に、授業を終えた兼田先生に話を聞いた。学校では4月より、マスク着用は個人の判断に委ねているものの、まだ3分の2の児童がマスクをしている状況だという。ただ、今後はマスクを外す子どもが増えることが予想される。これを受けて「実は3年前、初めて受け持ったのがいまの6年生の子たちなんです。出会ったときから、お互いにマスクをしていました。今後、マスクを外して児童の表情を見れるようになるのが嬉しいです」と笑顔になっていた。

  • 授業を終えて、安堵の表情の兼田先生