「大人しいけど面白い人」とは、普段は口数が少なく控えめなのに、ポロッと放った一言が的を射ていたり、話してみると皆とは違う新たな視点で物事を考えていたりと、なぜか興味をそそられる存在の人のことです。
ギャグを言ってその場の皆から爆笑を取ったり、いつも話題の中心にいて周囲からもてはやされたりというわけではないですが、多くの人に一目置かれるような存在と言えるでしょう。
本記事では、そんな「大人しいけど面白い人」の詳しい特徴や、大人しいけど面白い人になるための方法を、話の聞き方/話し方ごとに紹介します。
「大人しいけど面白い人」の特徴7選
まずは「大人しいけど面白い人」によくある特徴について解説します。
話し上手であり聞き上手
「大人しいけど面白い人」には、一度話し出すと周囲の人が耳を傾けてしまうような魅力があります。
なぜなら、いわゆる「話し上手」であることが多いためです。短くても起承転結がしっかりしていたり、きちんとオチがある話が作れたりします。
また「大人しいけど面白い人」は基本的に物静かであるため聞き役に回ることが多く、「聞き上手」な性質も併せ持つことが特徴です。
ただ話を聞くだけではなく、話の流れに沿った的確な質問をしたり、話題を振って話を引き出したりすることで、相手の話をより面白くすることもできます。
知識が豊富である
十人十色という言葉があるように、人の好み、興味はさまざまです。それにも関わらず、ある人のことを皆がそろって「面白い」と認識しているということは、その人はそれぞれの人と共通の話題があり、話ができているということです。
「大人しいけど面白い人」の多くは、スポーツや映画、アニメ、音楽のようなエンタメ系コンテンツ、文学、歴史、政治に経済、社会問題のような難しい話題まで、興味の幅が広く、豊富な知識を持っているのです。そのため、その場にいる人に合わせたトークができます。
変わったエピソードを持っている
私たちは、知らないことを知りたいと思う、好奇心を持っています。そのため、自分の経験とはかけ離れた変わったエピソードを耳にすると、より深く聞いてみたくなるものです。
例えば都会育ちの人にとって「下校中にイノシシが前方を横切った」「家の裏にある山までが家の敷地で、毎年そこでたけのこ狩りをする」など、田舎暮らしのエピソードは興味をそそられるでしょう。
自分の世界を持ち、さまざまな経験をしている「大人しいけど面白い人」は、エピソードトークの引き出しも多く、周囲の人を引き付けます。
自分を大きく見せない
「大人しいけど面白い人」には、変に自分を大きく見せずに、自然体でいられる人も多いでしょう。
自然体でリラックスして話している人に対しては相手もリラックスしやすく、その場が自然と会話しやすい雰囲気になります。相手もありのままの自分を見せられ、無理なく会話が弾むため、相手に「この人と話すと楽しい」と思わせるのが「大人しいけど面白い人」の特徴です。
また自然体でいることで、その人が本来持っている魅力がそのまま表現されます。うそ偽りのない素直な姿は親しみやすさを感じさせ、相手に良い印象を残すでしょう。
ギャップがある
ギャップ萌えという言葉があるように、相手のギャップを知ることで、より魅力的に感じることも多いですよね。例えば、真面目なあの人が実はちょっと天然、クールな雰囲気だが実は面倒見が良い、いつも寡黙な人だが戦国武将については目を輝かせておしゃべりになる、などが挙げられます。
普段はあまり感情や自分の考えを表に出さない大人しい人が意外な一面を出すと、周囲はそんな一面に親近感を覚え、魅力を感じます。
自己肯定感が高い
「大人しいけど面白い人」には自己肯定感が高い人が多いです。自己肯定感が高いので、仮に失敗談だとしても笑い話にして、自信を持って話すことができるのです。
自己肯定感の低さから出る自分を卑下した自虐ネタは、「これは笑っていいものなのだろうか」と、周囲を困らせてしまうことがあります。
一方で自己肯定感が高いと、失敗やミスを受け入れた上で、周りと一緒に笑い飛ばせます。本人が堂々と話すからこそ、周りも安心して笑えるのです。
大人しいけれどポジティブ
「大人しい人」と聞くと、暗い人、ネガティブな人を想像する人も多いでしょう。しかし「大人しい」と「明るい、ポジティブ」は同時に存在できます。
「大人しいけど面白い人」には、物静かではあるけれど、物事に対して積極的で前向きな人が多いのです。このことが会話の引き出しを増やすことや、周囲に安心感、好印象を与えることにつながります。
「大人しいけど面白い人」と思われるコツ - 聞き方編
「大人しいけど面白い人」は、いつも周囲からもてはやされているわけではありませんが、ひそかに一目置かれる存在です。「私もああなりたい」と憧れている人もいるでしょう。
そこで「大人しいけど面白い人」と思われるためのコツを紹介します。前述のように、「大人しいけど面白い人」は聞き上手でもあり話し上手でもあります。まずは相手の話を聞く際のコツです。
興味を持って相手の話を聞く
これは人の話を聞く上での基本中の基本です。話し手は、自分の話に興味を持って真剣に聞いてくれる人に好感を抱きます。
逆に、聞き手の相づちが少なかったり、目線があちこちに飛んでいたりすると、話し手は「私の話には興味がないんだな」と失望してしまいます。
相手への興味がなければ、または相手に「興味があります」と伝わらなければ、上質なコミュニケーションは生まれにくいものです。人の話を聞くときは、適切なタイミングで相づちを打ったり、話し手の目を見たり、前のめりな姿勢をとったりすることで、話し手に興味があることを伝えましょう。
リアクションや質問で相手の話を引き出す
「大人しいけど面白い人」には聞き上手な人が多く、話しやすい雰囲気作りに長けています。
例えば、相手の話を聞きながら表情豊かにうなずくことで、話し手は安心して話を続けられます。逆に無反応で真顔の人間を目の前にして話すことは、非常に居心地が悪いものです。
相手の話の節々で、深堀する質問や、「この場合はどう思う?」というように関連した話題を振ることで、相手はさらに話しやすくなります。
自分がその話し手の立場になった場合を想像して、どのようにして聞いてもらえたらうれしいかを考えて実践してみましょう。
「大人しいけど面白い人」と思われるコツ - 話し方編
次は自分が話す際のコツです。人によっては「聞き手編」よりやや難易度が高く感じられる部分もあるかもしれませんが、決して高度なテクニックではないので、ぜひトライしてみてください。
話を聞いてくれる相手に対して尊敬の気持ちを持つ
人と話をする際に重要なことは、相手によって態度を変えないことです。相手との関係性などによって多少の言葉遣いは変わるとしても、相手に向き合う際の姿勢までも変えてしまっては、良い印象を残すことは難しいでしょう。
例えば、上司から話し掛けられた場合はハキハキとした態度で詳細に語っていたのに、目下の人に話し掛けられたときは「別に何もないよ」と一言、冷たい態度で返答する人は、「面白い」と思われるどころか、周囲からの信頼を得づらいです。
相手が誰にしろ、話し掛けてくれる人、話を聞いてくれる人に対しては、真摯(しんし)に敬意を持って接することが重要です。
また、自分の意見を押し付けるのではなく、会話の相手に意識を向け、反応を見ながら会話をすることで、周囲へ好印象を残せます。
一つの質問には二言で返すことを心掛ける
会話を弾ませるためには、一つの質問に対して二言で答えるのがおすすめです。
比較のために、まずは一つの質問に一言で答えるとどのようになるのかを見てみましょう。
A: この前の韓国旅行はどうだった?
B: 楽しかったよ!
A: 何が楽しかったの?
B: カフェ巡りかな。
A: どこのカフェに行ったの?
B: ○○ってところとかかな。
A: ○○はどんなカフェなの?
せっかく相手が質問してくれたのに一言しか返さないと、このようにAさんばかりが話題を振り続け一方的な会話になってしまっています。形式としては尋問と変わりません。
今度は二言で返す会話に変えてみましょう。
A: この前の韓国旅行はどうだった?
B: 楽しかったよ! かわいいカフェがたくさんあったんだ。
A: へえ、カフェ巡り好きだから、私も行ってみようかな~。
B: ○○ってカフェが特に良かったよ! 内装も食べ物もピンクが多くて、バービーのような世界観なんだ。
A: かわいい! 今度行ってみるね!
相手の質問に二言で返すことで、お互いに内容を広げられる会話に代わりました。一言追加して答えるだけで、会話が膨らみやすくなるでしょう。
このような会話ができると、話していて楽しいなと思ってもらえます。
大人しいけど面白い人を目指そう
「大人しいけど面白い人」になるには、まず相手が話していて心地良いと思える環境、雰囲気を作るところから始めましょう。相手にしっかりと向き合い、自分もありのままの姿勢で臨むことが重要です。
そのほかにも、明日からすぐに実践できるコツを紹介しました。一つずつ取り入れて「大人しいけど面白い人」を目指しましょう。