「以後お見知りおきを」という言葉は、ビジネスシーンで度々見聞きすることがあります。一方で、聞いたことはあっても使ったことがない方や、意味をよく知らない方もいるでしょう。
今回は「以後お見知りおきを」の意味や使い方、言い換え表現などを解説します。
「以後お見知りおきを」の意味とは
「以後お見知りおきを」とは、「これから覚えておいてほしい」というお願いを表す言葉です。相手に、自分もしくは紹介する人の顔や名前などを覚えてもらいたいときに使います。
初めて会う方に自己紹介する際や、新しい人物を紹介する際に使用される言葉です。「以後」と付いているため、これからお世話になるような相手に使うことがふさわしいでしょう。
「以後お見知りおきを」はビジネスでも使える敬語?
「以後お見知りおきを」はビジネスシーンにおいては、そのまま使用しても問題ありません。さらに丁寧な敬語にしたい場合は以下のように伝えるとよいでしょう。
以後お見知りおきください
以後お見知りおき願います
以後お見知りおきのほどよろしくお願いします
「以後お見知りおきを」の使い方と例文
「以後お見知りおきを」について、使い方と例文をご紹介します。
初対面の相手に対して使う
「以後お見知りおきを」は、初対面の人と挨拶をする際に、自己紹介と合わせて使います。ビジネスシーンでも日常生活でも、どんな場面でも使用できます。
「初めまして〇〇と申します。以後お見知りおきを」
「お初にお目にかかります、〇〇です。以後お見知りおきください」
目上の人へ紹介するときに使う
会社の部下や同僚、後輩など、自分と同じ立場や年下の人物を目上の人へ紹介する際に使えます。
ただし上司を紹介する際は、上司に対して失礼に当たるため使用は避けましょう。無難に「弊社〇〇部課長の〇〇です」という紹介がおすすめです。
「一緒にプロジェクトを担当する〇〇です。以後見知りおきを」
「今年度弊社に入社した〇〇です。以後お見知りおきのほどよろしくお願いします」
第三者への面会を願うときに使う
ビジネスシーンでは、対面している相手の上司や、決裁権をもった人に会わせてほしいとお願いする場面があります。
面識のない会いたい人がいる場合、対面相手にその人に会いたい意思を伝える方法として「お見知りおきを」が使えます。「以後」はその場の状況ごとに、付け加えるか判断しましょう。
「ぜひ〇〇部長にお見知りおきいただきたく存じます」
「〇〇社長におかれましては、以前からお見知りおきをいただきたく存じておりました」
「以後お見知りおきを」の返し方
相手から「以後お見知りおきを」と言われた場合「こちらこそ(私共どもこそ)よろしくお願いします」と返すことが適切です。
「お見知りおきいたします」や「心に留めておきます」などの表現は間違っているため、使わないようにしましょう。このような表現は、こちらが上の立場であっても相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
また、第三者への面会をお願いされてすぐに決めかねる場合は、「確認いたします」と伝えるとよいでしょう。
「以後お見知りおきを」の類語・言い換え表現
「以後お見知りおきを」の類語には「これからどうぞよろしくお願いいたします」や「ご承知おきを」「お含みおきください」「お知りおきください」などがあります。
「これからどうぞよろしくお願いいたします」
「以後お見知りおきを」は、初対面の相手に自己紹介する場合や、同僚・後輩・部下・友人などを紹介する場合、「これからどうぞよろしくお願いします」に言い換えができます。
「初めまして〇〇です。これからどうぞよろしくお願いいたします」
「今年入社した〇〇です。私と共に御社を担当いたします。これからどうぞよろしくお願いいたします」
「ご承知おきを」
「ご承知おきを」とは、「あらかじめ知っておいてください」という意味です。相手に知っておいてほしい情報を伝える際に使用します。
- 「この案件の締め切りは◯月◯日の◯時であることをご承知おきください」
- 「明日◯時頃から点検作業に入りますので、ご承知おきを」
「お含みおきください」
「心に留めておいてください」という意味の「お含みおきください」は、メールやビジネス文書で使用される表現です。知っておいてほしいことを伝える際に使用します。
「ご注文いただいた商品は交通事情によって、到着が遅れる可能性がある旨、あらかじめお含みおきください」
「この金利プランは、変動することがあります。お含みおきいただきますようお願いいたします」
「お知りおきください」
「お知りおきください」は、「覚えておいてください」「認識しておいてください」という意味の言葉です。ビジネスで使用しても問題ありません。
この表現は予定のリマインドや注意事項を再度伝える際などに多く使われます。
「会議室の予約は前日15時までです。お知りおきください」
「こちらは経費で落とせません。お知りおきください」
「以後お見知りおきを」をうまく使って好印象に
今回は、「以後お見知りおきを」の意味や使い方を紹介しました。言い換え表現も知っておくことで、ビジネスシーンでその場の状況に合わせて使い分けることができます。
「以後お見知りおきを」の使い方や例文、言い換え表現を覚えて、取引先とのコミュニケーションに活用してください。