日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’23』(毎週日曜24:55~)では、生きづらさを抱える人たちが集まるカフェを取材した『森のごちそう』(北日本放送制作)を、きょう7日に放送する。
富山県西部砺波市の散居村にある、小さな「みやの森カフェ」。集まってくるのは、不登校、発達障害、生きづらさを抱えた人、さらには外国人技能実習生や学校が休みの子どもたちまで。キッチンに立つ店主が相談に乗るだけでなく、1人でやってきた客が同じ悩みを持つ客と打ち解ける姿もある。温かくて美味しいごはんをきっかけに、つながりが生まれる、みんなの“居場所”となっている。
カフェを第二の人生として始めたのは加藤愛理子さん(67)と水野カオルさん(58)。2人とも障害のある兄弟を持つ「きょうだい児」。長年、不登校や障害を持つ子どもの教育に携わってきた。「慰める言葉はなくても、つらい気持ちで来た人に『はいこれ食べて』は言える。それだけ一緒に食べることには力がある」と、これまでの経験を振り返る。
カフェの営業日は木・金・土の3日間。月~水は、不登校の子どもや高校を中退した若者が1日を過ごす「フリースクール」に姿を変える。「学校に行けんくなったから ここにきた 行くと体がしんどくなる…」と打ち明けるのは、学校のルールに体がついていけなくなった、こうたろうくん(11)だ。カフェでの出会いは、こうたろうくんの世界を広げている。この春、フリースクールの登校がようやく出席扱いに認められた。
「ここがなかったら刑務所に入っていたかも」――母が倒れて勉強についていけなくなり、高校中退、引きこもりになったタケシさん(21)は自殺を図ったが、このカフェに救われた。4月からはシェアハウスに入居し、新たな一歩を踏み出す。
「学校でも家でもない、自分らしくいられる居場所になってほしい」――人と人の心をつなげる、おいしいごはんと甘いおやつ…。自分らしく生きていくヒントをこの小さなカフェは教えてくれる。