顧客理解と市場把握の可視化をまるっとサポートするツール “シン・ネットリサーチ”『スパコロ』を提供するモニタスは、全国20歳~69歳5,000名を対象に「マスク着用の実態把握調査」を実施した。
3月13日より、日本でのマスクの着用は個人の判断が基本となった。コロナ感染拡大防止に向けた取り組みにより定着化したマスクは、機能性の高いものからファッション性を意識したものまで、日用品メーカーでラインナップが豊富になった。一方で、化粧品メーカーの販売比重はコスメアイテムからスキンケアアイテムにスイッチしていった。
マスク着用の自由化から約1カ月が経過した今、人々のマスク着用に関する考え方や意識はどのように変化しているのか、また約3年間続いたマスク生活ののちに、マスクを外すことで利用したい・気になる美容について調査を行った。
最初に「普段のマスク着用状況」について聞いてみた。
マスク着用が個人の判断となってから約1カ月後のアンケートで、引き続き普段マスクを「着けている」人の割合は88.0%であった。
性別・年代別で見ると、女性40代と女性60代が「着けている」と回答した割合が全体平均よりも5ポイント以上高く、男性20代は「着けていない」と回答した割合が全体平均よりも7ポイント高い結果に。
マスクを着けていない理由を聞いたところ「特に理由はない」が32.1%と一番高く、次いで「息苦しいから」(30.6%)、「暑いから」(21.3%)という順だった。
次に「普段マスクを着けている理由」について調査した。
普段マスクを着けている人に聞いた、マスク着用理由TOP3は「コロナウィルスの感染対策」(59.6%)、「習慣になっているから」(37.6%)、「花粉症対策」(34.8%)であった。
男女別で見ると、「顔を隠したいから」「習慣になっているから」「化粧や髭剃りをしなくて済むから」はそれぞれ女性の方が全体平均よりも5ポイント以上高い結果に。
特に「顔を隠したいから」は女性20~40代の場合全体平均よりも10ポイント以上高く、マスクなしの顔を見せることに抵抗を感じる人が多い模様。一方で、男性は「顔を隠したいから」と回答した人は全体平均よりも9ポイント低い結果となった。
「他の人とのトラブルになるのを避けたいから」や「特に理由はない」など、周囲の状況次第で行動が変わりそうな層も合計で20%程度見受けられた。
次に「今後のマスク着用予定」について聞いてみた。
今後のマスク着用予定で最も高いのは「わからない・未定」(52.7%)であった。次いで「自分の周囲でマスクを着ける人が少なくなってきたら」(19.1%)、「24年春以降も着ける」(10.1%)、「23年夏前まで」(10.0%)と続いた。
また「各マスクブランドの認知・利用経験・最も利用しているもの」について尋ねてみた。
各マスクブランドで最も利用されているブランドTOP3は「超快適マスク(ユニ・チャーム)」(17.4%)、「DAILY FIT MASK(アイリスオーヤマ)」(8.7%)、「フィッティ(玉川衛材)」(8.1%)であった。
認知・利用経験・最も利用の流れを見ていくと、認知してから一度利用してみるまでの割合は「超快適マスク(ユニ・チャーム)」が56.4%と高いが、一度利用してから利用し続けるまでの定着率は「DAILY FIT MASK(アイリスオーヤマ)」が62.8%と最も高い結果に。
マスクを選ぶ基準では「価格」(52.7%)、「素材」(31.3%)、「機能性」(29.1%)、「色」(28.3%)、「枚数」(23.6%)という順で結果が出た。
次に「マスクを外すことで必要になるコスメアイテム」について聞いてみた。
マスクを外すことで必要になるコスメアイテムについて最も高いのは、「口紅・リップ」(53.9%)であった。次いで「ファンデーション」(38.7%)、「チーク」(26.6%)、「化粧下地」(25.6%)と続き、マスク生活で販売数が落ち込んでいたアイテムのニーズ回帰が予想される結果となった。
マスクを外すことで利用したい・気になる美容について最も高いのは、「口元のケア(唇ケア・口臭対策)」(23.8%)。次いで「入念なスキンケア」(18.8%)、「ホワイトニング」(15.3%)、「虫歯・歯周病予防対策」(13.7%)、「ストレッチ・運動」(9.3%)と続く。歯を含めた口元のケアに関心のある人が半数以上という結果になり、特に気になる人が多いようだ。
本調査の中で、ブランドを育成していくにあたってまずは自社と競合ブランドの立ち位置や消費者が持つ各ブランドの印象の把握が必要であることが見えた。またマーケティング戦略を立案する際、環境による消費者の意識・行動の変化を調査で把握し参考にしてみる良いかもしれない。