米Appleが5月4日(現地時間)に発表した同社2023年度第2四半期(2023年1月〜3月)決算は売上高3%減(前年同期比)、純利益3%減(同)だった。2四半期連続の減収減益となったが、iPhoneが1〜3月期の最高を記録し、売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回った。
1〜3月期の売上高は948億3600万ドル(前年同期比3%減)、純利益は241億6000万ドル(同3%減)だった。希薄化後の1株あたり利益は1.52ドル。売上総利益率は44.3%。市場予想の平均は、売上高929億6000万ドル、1株利益1.43ドル、売上総利益率44.1%だった。
1〜3月期にAppleは、1月にM2 Pro/M2 Max搭載「MacBook Pro」とM2/M2 Pro搭載「Mac mini」を発売。2月に第2世代「HomePod」を発売し、3月にiPhone 14とiPhone 14 Plusに新色イエローを追加した。以下は製品カテゴリー別の売上高(増減は前年同期比)。
- iPhone:売上高513億3400万ドル(2%増)
- Mac:売上高71億6800万ドル(31%減)
- iPad:売上高66億7000万ドル(13%減)
- ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高87億5700万ドル(1%減)
- サービス:売上高209億700万ドル(5%増)
インフレ、景気後退懸念、過剰在庫からスマートフォン市場は昨年後半から低迷が続いており、IDCが4月27日に発表した2023年1~3月の世界のスマートフォン出荷台数は前年同期比14.6%減の2億6860万台だった。そうした中でiPhoneは売上高を伸ばし、アナリストの予測(488億4000万ドル)を大きく上回った。部品不足やサプライチェーンの問題が緩和し、iPhone 14 Proなどの供給が安定したことで需要を満たしたと見られている。
IDCなどの調査で1〜3月期の世界PC出荷台数は前年同期から約30%の減少だと推定されており、冷え込んだPC市場おいてMacも前年同期比31%減の落ち込みとなった。ただし、昨年の1〜3月期はM1搭載モデルへの買い替えが進み、1〜3月で過去最高のMac売上高を記録しており、実際の鈍化がどの程度であるかは1〜3月期の比較だけでは判断しづらい。
地域別では、アメリカスが売上高377億8400万ドル(前年同期比8%減)、中国が178億1200万ドル(同3%減)、日本が71億7600万ドル(同7%減)と減収だった一方で、その他のアジア太平洋地域が81億1900万ドル(同15%増)だった。Tim Cook氏(CEO)によると、新興市場で需要が伸びており、メキシコ、インドネシア、フィリピン、サウジアラビア、トルコ、UAEで過去最高、ブラジル、マレーシア、インドで1〜3月期の最高を記録した。