レバテックが運営する、ITエンジニア専門新卒向け就職支援エージェント、レバテックルーキーは新卒エンジニアを採用する企業の新卒採用担当者300名を対象に、新卒エンジニア採用の着眼点について調査を実施した。調査期間は3月17日~3月20日。実査委託先は楽天インサイト。
最初に新卒エンジニア採用において、最も重視している点を調査した。
新卒エンジニア採用において、採用担当者が最も重視している点は「コミュニケーション能力(74.7%)」となった。ついで「論理的思考力(46.0%)」「人柄、マインド(38.0%)」と続いた。
昨年度の調査においても、採用時に重視している点の1位が「コミュニケーション能力(58.8%)」だったことから、エンジニアとしてのコミュニケーション能力は重要なスキルであることが分かる。
また重視している人柄やマインド面の要素としては、「協調性がある(48.7%)」が最も多く、ついで「責任感がある(47.0%)」「チャレンジ精神がある(32.3%)」という結果になった。チームで開発を進めることも多いエンジニアにとって、協調性や責任感の強さは必要な要素とされているようだ。
続いて、選考要素にプログラミングスキルが含まれるかも調査した。
新卒エンジニアの採用において、選考要素にプログラミングスキルを「含む」と回答した企業は、全体の41.7%という結果に。
プログラミングスキルの見極め方は、「面接での質問やディスカッション(70.4%)」が最も多く、ついで「GitHubや成果物の内容(35.2%)」「コーディングテスト以外の技術課題(25.6%)」となった。
将来エンジニアを志望する学生は、面接対策以外にも、書籍やプログラミング学習サイト、インターンなどを通じて積極的にプログラミングスキルの向上に取り組む必要がありそうだ。
また新卒エンジニアに求めるプログラミングスキルの変化についても聞いてみた。
新卒エンジニアに求めるプログラミングスキルについて、全体の7割近くが直近1〜3年間で「変化がない」と回答した。
一方で、全体の約2割が、新卒エンジニアに求めるプログラミングスキルが「高くなった」と回答した。「直近2〜3年で高くなった(18.0%)」「24年度新卒採用対象から高くなった(4.3%)」となり、ここ数年で新卒に求める技術レベルが高くなった企業も増えているようだ。
技術面での見送り理由としては「プログラミング学習に対する意欲が感じられない(44.0%)」が最も多く、ついで「自分で考えた実装ができていない(36.8%)」「ユーザーを意識した成果物の作成ができていない(26.4%)」となった。
未経験であっても、やる気さえあればチャレンジできるのかもしれない。
学生が学んでいるプログラミング言語のうち、新卒採用担当者が採用したいと思う言語1位は、「Java(71.0%)」という結果になった。ついで「Python(37.7%)」「C#/C#.NET(27.7%)」と続く。
社会人エンジニアを対象にした調査によると、業務で使用する言語としては「Java(24.0%)」が最も多く、依然としてJavaを使用する開発案件が多いことが分かった。
汎用性が高く、即戦力として業務で使える可能性が高いことから、新卒採用において評価の高いプログラミング言語といえるのではないか。
総論
新卒エンジニア採用において、採用担当者が最も重要視している点は昨年度に引き続き「コミュニケーション能力(74.7%)」であった。
人柄・マインド面で重視する要素は「協調性がある(48.7%)」「責任感がある(47.0%)」「チャレンジ精神がある(32.3%)」となり、現代社会の急速な変化のなかで、新しい課題や問題に対して、柔軟かつ積極的に取り組める人材の需要が高いことが読み取れると分析。
一方で、約4割の企業が選考要素にプログラミングスキルを「含む」と回答し、新卒から技術力を求める企業もあるようだ。新卒に求めるプログラミングスキルについて、約2割の企業は以前と比較して「高くなった」と回答しており、これまで以上に就活生に対して高い技術力を求める企業が増加していることが分かった。
社会的にプログラミング教育が注目され、学生のITリテラシーが向上している現代において、将来エンジニアを目指す学生は日頃から自己学習に励み、プログラミングスキルを向上させることが重要だと考えられる、と事業責任者はまとめた。