山梨県の富士河口湖町にある自然共生型アウトドアパーク「トレイルアドベンチャー・フジ」が4月22日にグランドオープンした。同施設では、森の中に設けられたコースをゆったりとクルーズする、気持ちの良いアクティビティが楽しめる。

今回、オープン前に開催された、電動アシスト自転車の電動ドライブを手掛けるメーカー・BOSCH主催の「BOSCH eBike試乗体験会」の様子をレポート、フォレストアドベンチャー社の原田亜輝氏にリニューアル後の特徴などを聞いた。

自然共生型の複合レジャー施設にリニューアル、レンタルも充実

2006年に富士山麓の標高1100mの森で日本第1号のパークをオープンしたフォレストアドベンチャー社。森林を活用したアウトドアパーク事業を展開し、自然の中でe Bikeでのオフロード走行などが楽しめるスポーツ型アクティビティ施設「トレイルアドベンチャー」の運営にも近年力を入れる。

「トレイルアドベンチャー・フジ」は横浜市旭区のパーク「トレイルアドベンチャー・よこはま」に次ぐ2号店として、約3年前から富士山が間近に見られる山梨県富士河口湖町の県有林で運営されてきた。

今回の移転リニューアルで「トレイルアドベンチャー・フジ」は中・上級者も楽しめるコースを増設。同地にある自然共生型アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー・フジ」も規模を拡大させた。また、今回初めてキャンプ場も併設し、ひとつの森でさまざまなアクティビティを楽しみ、泊まれる複合施設というコンセプトで生まれ変わった。

  • 「トレイルアドベンチャー・フジ」コースの様子

「トレイルアドベンチャー」事業はヨーロッパ全域でトレイルビルドなどを行うスイスのアレグラ社と提携しており、全長約4キロのコースも同社が設計・施工を行なっている。

「これまでも設置していた初級者向けのグリーンコースと中級者向けのブルーコースに加え、上級者向けのレッドコースが新設しました。距離的にも地形的にも、難易度の幅が広がり、よりパワーアップしています」とフォレストアドベンチャー社の原田氏。

「トレイルアドベンチャー・フジ」のコース利用料は2,500円(2時間/安全講習を含む)で、マウンテンバイクのレンタルは2,300円、BOSCHのドライブユニットを搭載した電動アシスト付きマウンテンバイクのレンタルは3,800円だ。ヘルメットも1,000円でレンタルできる。もちろんオール持ち込みも可能だが、利用客の6〜7割はこうしたレンタルサービスを利用するという。

「もともと観光などで訪れるファミリーが多く、『フォレストアドベンチャー』を目的に来たお客様が、マウンテンバイクに興味が湧いてトレイルも楽しまれるパターンも多いです。とくに『トレイルアドベンチャー』は初級者向けのコースが充実しているので、初めてeBikeに乗ってみたい人、マウンテンバイクでオフロード走行をしてみたい人も気軽に楽しめることが大きな特徴になっています」

レンタルのマウンテンバイクは電動アシスト付きが6台、アシストなしは大人用と子供用で4台ずつ用意している。

程よいスリルが味わえる安全なコース設計

アクティビティとして気軽に楽しむには電動アシスト付きの車両がおすすめとのことで、今回はBOSCHのドライブユニットを搭載したトレックのeMTBに試乗し、実際のコースを走行してみた。

BOSCHの「Bosch eBike Systems」の特徴は「Performance Line CX(パフォーマンスラインCX)」と「Active Line Plus(アクティブラインプラス)」で構成されたドライブユニット。静かで信頼性の高いモーターで、穏やかな乗り心地や快適な加速を実現し、走る楽しみをサポートするという。

「eMTBモード」では、ライダーの踏力の強弱に応じた最適なアシスト力を自動で判断する。テクニカルな場面や滑る路面でも、乗りての意のままにコントロールでき、パワフルにアシストするそうだ。

簡単な安全講習やコース説明を受け、ブレーキやギアの操作といった基本的な乗り方のレクチャーの後は、各々自由にコースを楽しんでもらうというスタイルだ。

「コースはシングルトラックなので、並走やトレイル外の走行、ドリフトや危険運転は禁止です。一方通行で追い抜く際は前方の人への声かけや、ヘルメットとグローブの着用をお願いしています。コースの分岐などには杭を置き、敷地内にいくつかある『フォレストアドベンチャー』の利用者用のために設けられた遊歩道やコースの合流では減速・徐行をお願いしています」

乗り方のコツを聞いてみると、ディスクブレーキが採用されているマウンテンバイクは、ブレーキの効きが非常に良いので、なるべく常に指をかけておくようにして、ジワジワとブレーキをかけるのがコツ。基本的にはファミリーで楽しめるコース設計ということもあり、ブレーキ操作を意識しておけば、マウンテンバイクでのオフロード走行が初めての人でも安全に走行できる。

「普段からオフロードを楽しまれている上級者向けのコースもありますが、ジャンプなどより本格的な楽しみ方ができるというイメージで、誰でも普通に楽しく走れるかと思います。非日常の遊び・レジャーではあるので、『思っていたよりもスリルがあってハード』という感覚もありつつ、体験の満足度としては非常に高いのかなと思います」

マウンテンバイクでのオフロード走行は下り坂などでも立ち乗りが基本。慣れてきたら速く走行するためのライン取りなども意識すると良いようだ。実際の営業中はスタッフがコースを巡回し、その都度、利用者へ乗り方などをレクチャーすることもあるという。

「急なカーブは外側から回っていく意識で、コーナーの出口を見るようにすると、自然と曲がれるようになります。カーブに傾斜をつけることで曲がりやすくしていたり、下り坂では緩やかなつづら折りにしたり、適度にコブがあったり。一連のペダリングまで計算されているので、初級者から上級者まで気持ちよく走りやすいコース設計になっています」

試乗後は程よい疲労感も感じたが、電動アシストのおかげでキツそうな勾配も快適に走れた。初・中級者向けのコースが充実し、安全性が確保されつつも程よいスリルが味わえる。 トレイルの本場でコースづくりを手掛けてきた提携会社のきめ細かいノウハウが詰め込まれており、筆者のようなebike初心者でも上級者向けのコースを十分楽しめた。

「富士山の麓にある『トレイルアドベンチャー・フジ』は、水はけが良い火山灰の土やなだらかな地形が特徴です。前日が丸1日雨でも地面がドロドロになりにくく、よほどの天候でなければ翌日には通常通りオープンできます。整備もしやすく恵まれた土地ですね。5〜10年後には日本でもトレイルライドの市場はかなり成長してくると見込んで、こうした事業に取り組んでいきます」

「トレイルアドベンチャー・フジ」は、中央自動車道「河口湖IC」より10分、東名高速「御殿場IC」より45分。「河口湖駅」からはタクシーで約15分の立地で、混雑状況にもよるが新宿から「河口湖駅」までは2〜3時間ほどで到着する。GWのレジャーにもおすすめのスポットだ。

トレイルアドベンチャー・フジ
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町船津6662-1
電話番号:080-2165-9693
アクセス:中央自動車道【河口湖IC】より10分、東富士五湖道路富士吉田ICより8分、東名高速【御殿場IC】より45分、新東名高速【新富士IC】より60分
公式サイト:トレイルアドベンチャー・フジ