小田急電鉄が中期経営計画(2023~2026年度)を策定。重点施策のひとつ「交通領域の進化」に向けた取組みとして、箱根登山線(小田原~箱根湯本間)にて2025年度をめどにワンマン運転の試験運用を開始する予定であることが明らかにされた。

  • 箱根登山鉄道の小田原~箱根湯本間(箱根登山線)は小田急電鉄の車両により運行される(写真は2014年撮影)

同社はすべての事業領域の土台となる交通において、持続可能な運営体制の確立と安定的な利益創出に向けた進化を続けるとしており、今後の取組みとして少人数での鉄道事業運営体制の構築をめざすと説明。箱根登山線(小田原~箱根湯本間)で2025年度の試験運用開始等に向け、ワンマン運転に関する検討を深度化するという。

あわせて各種業務を見直し、信号業務の集約化、メンテナンスの効率化など段階的な少人数運営体制の構築を図る。これらの取組みにより、同社の鉄道事業における要員体制を2035年度までにマイナス30%(2020年度比)とする。

「交通領域の進化」に向けた取組みとして、他にも耐震補強工事の推進や「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用したホームドアの設置による安全対策の強化、大野総合車両所の移転をはじめとした老朽化設備更新の推進などを挙げ、持続可能な運営体制の強化に取り組むとしている。鶴川駅および藤沢駅の改良工事を自治体による自由通路整備事業と連携して実施し、利便性・安全性・回遊性を向上させるとともに、まち全体のにぎわいを創出する。