日本テレビの科学バラエティ番組『所さんの目がテン!』(毎週日曜7:00~)で、昨年3月13日に放送された「登山鉄道の科学」が、第64回科学技術映像祭で科学技術館館長賞を受賞した。

  • 所ジョージ=日本テレビ提供

「登山鉄道の科学」回は、鉄道にとって最大の難敵ともいえる勾配を克服する「登山鉄道」に使われる技術に迫る内容を放送。わずか2度程度で最急勾配とされる鉄道で、箱根登山鉄道や大井川鐵道井川線といった登山鉄道は、いかにして勾配を克服したのか、そこに秘められた鉄道マンたちの知恵や工夫を明らかにした。

受賞にあたり、科学技術館館長で、ノーベル賞受賞者である野依良治氏は「先人の鉄道マンの知恵とあくなき工夫を大人から子供まで理解できる作品」との評価。番組自体についても、「所さんのユーモアを交えて、科学技術の仕組みをわかりやすく教えてくれる番組で、子供たちが科学に興味を持つきっかけとなる。長く続けていただきたい」とエールを送った。

受賞の模様は、30日の放送で紹介する。

MC・所ジョージのコメントは、以下の通り。

――『所さんの目がテン!』の「登山鉄道の科学」が第64回科学技術映像祭 科学技術館館長賞を受賞したとのこと、おめでとうございます。

「登山鉄道の科学」だけじゃなくてレールの仕組み、カーブの曲がり方、鉄道橋と、何度か番組で鉄道を取り上げているけど、産業革命の蒸気機関車から始まった鉄道の歴史って、人を運んだり、山を登ったり、荷物を運んだり、人の知恵の塊みたいなもの。身近な鉄道のすごさをこの番組で改めて取り上げたことが受賞した理由じゃないかな。

『目がテン!』は科学番組なので、科学関係のことで賞をもらえるのはとてもうれしいね。“かがくの里”も頑張っているけど、番組だけでやってるのは限界があるし、全国の里山を再生する国家プロジェクトにならないかなぁ。

――所さんは鉄道はお好きなんでしょうか?

僕は鉄道にそんなに興味があるわけじゃないんだけど、藤田アナが鉄道に熱いから面白がって取り上げているだけだけどね(笑)。ヨーロッパの山岳鉄道は、いつかは乗ってみたいなぁ。映像じゃなくて実際に肉眼で窓からあの景色を見たいなと思うけど、鉄道の仕組みを知らないで乗るのと知ってから乗るのは、全然違うからね。スイスとかアルプスの山岳鉄道の企画とかないかな?(笑)

――今回の番組の受賞のポイントをどうお考えになりますか?

今は、全てが便利な世の中になっているから、細かい物事の仕組みを詳しく知らないことも多いけど、仕組みの中に隠れている色んな人の努力を知ることで、当たり前の物がありがたくなるし、幸せや豊かさを感じたりする。前から身の回りにあるものが大事なんだよ、という入り口になればいいなぁ。

世の中の当たり前に感謝してありがたがって生活するのが大事だよってことだね!我々が考える“未来”は、合理的なものに溢れていると思っているけど、そうじゃないんだよね。ゆっくり景色を見ながら移動することも豊かさだし、ひと手間かけて急須でお茶をいれることも豊かさ。そういうことを改めて考えることが必要なんじゃないかな。