帝国データバンクは4月27日、「コスメ商品(化粧品)の価格動向」に関する調査結果を発表した。調査対象は、全国の百貨店に展開する100のコスメブランド(国内外)。

  • ジャンル別の値上げアイテム数

    ジャンル別の値上げアイテム数

「脱マスク」に向けて需要が高まるコスメ製品にも、値上げの波が押し寄せている。全国の百貨店を中心に展開する、ラグジュアリーカテゴリーを中心とした主なブランドコスメ(デパコス)のアイテム価格を調査した結果、2023年は100ブランド中4割にあたる37ブランドで2022年からの値上げが判明。総数2,389アイテムにのぼり、一部ブランドでは前年に続き再値上げに踏み切ったケースも見受けられた。

中でも、ファンデーションやリップなどの「メークアップ」アイテムにおける値上げ実施は、942アイテムと全体の4割を占める結果に。次いで、ハンドクリームや各種トリートメント製品といった「ケア用品」でも900アイテムに上るほか、「フレグランス」も351アイテムで値上げが実施されたことが明らかに。

その背景には、原材料の価格高騰に加え、円安による輸入コストの増加、各種包装資材などの値上がりが影響しているようで、特に「原材料価格の上昇」(29ブランド)が値上げ理由の9割超を占める結果に。また、「輸送費の上昇」や「生産コストの上昇」(ともに11ブランド)、「内外価格差の是正等」(6ブランド)といった理由も散見された。

  • 2023年以降におけるデパコスの平均価格

    2023年以降におけるデパコスの平均価格

この結果、2023年以降におけるデパコスの平均価格(希望小売価格)は、1アイテムあたり1万1,128円となり、前年(1万335円)に比べ7.7%・793円上昇。ただし、分野別では値上げ幅に差がみられ、原材料高の影響を大きく受けた「フレグランス」は、前年比+8.4%・1,166円アップの1万4,978円と、平均価格・上昇幅ともに全アイテムで最大に。一方、最も価格の上昇幅が小さい「メークアップ」は+6.2%・324円上昇し、平均価格も5,578円と低水準にとどまった。