小田急電鉄は28日、鉄道事業設備投資について、2023年度は安全対策の強化とサービスの向上を重点に総額261億円の設備投資を行うと発表した。町田駅と本厚木駅で特急車両に対応したホームドアを設置し、通勤車両3000形のリニューアル等も実施する。
特急車両に対応した大開口のホームドアは、町田駅1・2・3・4番ホームと本厚木駅3・4番ホームに設置。他に豪徳寺駅、千歳船橋駅、喜多見駅などでもホームドア設置に向けた準備に着手する。今後も鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、新宿~本厚木間の全駅と中央林間駅、大和駅、藤沢駅においてホームドアの設置を進める。
橋梁の耐震補強も実施。大規模な地震に備え、町田~相模大野間のJR横浜線跨線橋と境川橋梁、相模大野~東林間間の小田原線跨線橋で橋脚の補強など進める。新松田~開成間の酒匂川橋梁などで劣化した塗膜の塗替えも行い、腐食を防止して構造物の延命を図る。
犯罪の抑止や事件の早期解決等を目的として、通勤車両・特急車両への防犯カメラ設置を推進。今年度は通勤車両16編成、特急車両4編成へ設置を予定しており、2025年度の設置工事完了をめざす。
サービス向上のため、通勤車両3000形のリニューアルも行う。6両編成の3000形3編成において、各車両に車いす・ベビーカースペースを1カ所設けるほか、省エネルギー化を図った制御装置を搭載し、オイルフリーコンプレッサーへの更新等により、環境にさらに配慮した車両へと改造する。
中央林間駅では利便性向上のため、これまで東口改札口の新設、トイレ改修などが行われてきた。2023年度はホーム改良工事に取り組み、2024年度の駅舎改良工事の全体竣工をめざす。鶴川駅や藤沢駅では、橋上駅舎化に向けて関係自治体と協定を締結。工事に着手予定となっている。