「花粉症の影響で仕事の効率が通常の半分以下に落ちた」と感じる若年層が4割超にものぼり、経済損失は実に2兆円にもなる――。このような驚くべきデータが明らかになりました。「今年の花粉症は例年より症状がひどかった」と回答する人も多く、来年に備えて空気清浄機の設置など軽減策を検討する必要がありそうです。
調査データを発表したのが、イマーゴ(東京・港)と九州大学が産学連携で運営するシンクタンクのiQLab。18歳から29歳の「Z世代」や「ミレニアム世代」を対象にインターネット調査を実施し、全国の1,000名から得た有効回答を集計・分析しています。
「2023年春のあなたの花粉症の症状を教えてください」という設問では、全体の57%が何らかの花粉症の症状があったと回答。特に、花粉症発症者のうち26.8%が「例年より症状がひどかった」と回答するなど、多くの人が感じていた「今年は花粉症がつらいな…」ということがデータで実証されました。
注目したいのが、花粉症発症者の93.5%が「花粉症シーズンに仕事の効率が落ちた」と回答していること。特に、45.5%が「仕事の効率が50点以下になった」と訴えるなど、日ごろの業務に大きな影響を与えていることが分かりました。この結果をもとに、仕事効率の減少割合や回答者の所得を考慮してiQ Labが労働生産性への影響を試算したところ、被害額は2023年春だけで約2.1兆円にものぼることが判明。
若年層ほど花粉症の発症者が増えているという話もあります。室内を舞う花粉を集める空気清浄機、高温のスチームで花粉などのアレル物質を抑制する衣類スチーマー、スチームと振動で衣類のアレル物質を低減するLGエレクトロニクスのホームクリーニング機「LG styler」などの家電を導入するなどし、影響を抑えるための対策を積極的に施すのもよいでしょう。