サードウェーブは、クリエイター向けパソコン「raytrek R5-RL5」、「R5-RL6」を2023年4月28日に発売しました。発売に先駆けて行われたプレス向け事前説明会の様子をお届けします。

15インチノート型raytrekが第13世代 Core i+NVIDIA GeForce RTX 40搭載

説明会では、冒頭、サードウェーブ執行役員 製品・マーケティング統括本部 統括本部長の佐藤和仁氏が「昨年、デスクトップのraytrekを全面リニューアルしたが、多くのクリエイターに高い評価をいただきました。今回はraytrekのノートパソコンを刷新します」と軽く挨拶を行いました。

  • サードウェーブ執行役員 製品・マーケティング統括本部 統括本部長 佐藤和仁氏

  • 新製品は写真や動画、イラスト等幅広いクリエイターに向けて提供します

続いて、サードウェーブ 製品・マーケティング統括本部 プロモーション部 raytrek サブプロダクトマネージャーの黒川裕大氏が製品の概要を紹介します。同社では2022年5月27日に前モデル「raytrek R5-AA5」「R5-AA6」を発表しており、「Core i7-12700H」と「GeForce RTX 3050/3060」を組み合わせた高性能なクリエイティブマシンでした。今回は、そこからさらに性能が向上。クリエイティブに重要なものをアップデートしたと話します。

  • サードウェーブ 製品・マーケティング統括本部 プロモーション部 raytrek サブプロダクトマネージャー 黒川裕大氏

  • 新製品の説明会ではお約束のアンベール

ラインアップは「raytrek R5-RL5」と「raytrek R5-RL6」です。CPUは最新の第13世代Core i7プロセッサを使用。上位機種の「R5-RL6」には、シリーズ初となる「i7-13700HX」と性能の高いHXシリーズを採用しました。下位製品の「R5-RL5」は「i7-13700X」を採用します。GPUも最新のGeForce RTX 4060(R5-RL6)、RTX 4050(R5-RL5)と、基本性能を大きく引き上げています。

また、前世代製品はフルHDパネルを使用していましたが、今回はWQHD(2,560×1,440ドット)の解像度とsRGB99%のノングレアパネルを採用。表示領域が拡大しています。

  • 発表されたのは「raytrek R5-RL5」と「raytrek R5-RL6」。外側はほぼ前製品を踏襲していますが、CPU/GPUと液晶がパワーアップ

  • フォトグラファーを想定したベンチマークでは大幅な速度アップとなっているそう

  • 液晶がフルHD(1,980×1,180)からWQHD(2,560×1,440)と画素数が約1.58倍にアップ。もちろんsRGBカバー率99%の液晶パネルです

Adobe Creative Cloudの推奨スペックを満たす性能で、Lightroom Classic、Photoshop、Premiere Pro、After Effectsのようなクリエイティブ作業に必要なアプリが快適に動作。また、CLIP STUDIO Paint/Tabmateやワコムのペンタブレットも動作検証済で、ほかのクリエイティブ作業用アプリに関しても動作検証を行っていくとのことでした。

充実した入出力も踏襲。Thunderbolt 4やUSB 3.2 Gen2×1やWi-Fi 6E/Bluetooth 5.3に対応します。メモリは標準16GB(8GBx2)ですが、最大64GBで、ストレージも(現状)最大2TBまでカスタマイズ可能です。

  • Adobe CCの推奨動作環境を満たし、CLIP STUDIO PAINT/TABMATEやWacom製タブレットの動作検証済

  • I/O環境もスペックアップ。なお、SDカードスロットはUHS-1ながらフルサイズのカードが使えるのでフォトグラファーも安心です

両製品を比較すると、CPU/GPUだけでなく下位製品の「R5-RL5」のメモリにはDDR4を採用。理由を伺うと、液晶パネルを大きくグレードアップしたので「最小構成で20万未満」という価格を実現するための苦渋の選択だったそう。なお、価格は「R5-RL5」が189,979円から、「R5-RL6」が224,980円からです。

見た目は前世代製品とあまり変わらないものの、中身が大幅にパワーアップしたのが今回の新製品。外で撮影する機会の多いフォトグラファーはもちろん、自宅だけでなく、スタジオや作業場、移動先での利用機会のあるクリエイター向けの製品と言えるでしょう。

  • 主なスペックと価格です。液晶パネルは165Hz駆動なので、このままゲーミングパソコンとして使うのもアリでしょう

  • 「raytrek R5-RL6」は、「Windows 11 Home / Core i7-13700HX / GeForce RTX 4060 8G GDDR6 + Intel Iris Xe グラフィックス/ 16GB DDR5メモリ / 1TB Gen4 NVMe SSD /15.6インチ ノングレア WQHD液晶」の構成で224,980円。メインメモリは64GB、ストレージは2TBまでカスタマイズ可能です

  • 「raytrek R5-RL5」は、「Windows 11 Home / Core i7-13700H / GeForce RTX 4050 6G GDDR6 + Intel Iris Xe グラフィックス/ 16GB DDR4 SO-DIMMメモリ / 1TB Gen4 NVMe SSD /15.6インチ ノングレア WQHD液晶」の構成で189,980円。2023年4月28日時点の価格です

なお、新発売を記念して2つのキャンペーンが行われます。1つは標準構成の16GBメモリ構成を選択しても、実際には32GBとなるメモリ倍増キャンペーン(両モデル先着100オーダー限定:ちなみに32GB構成を選択しても倍増しません)。もう1つは事前エントリーと購入でクリエイターにうれしい賞品が当たるものです。詳しくは公式ページをご参照ください。

ちなみに事前説明会では、パソコンの内部も公開されていました(残念ながら写真掲載不可)。「R5-RL6」は、消費電力の多いi7-13700HX(TDP:55W)に対応するべく、ヒートシンクがベイパーチャンバーとなっており、ヒートシンクへの熱接続も通常使われる放熱グリスに代わって液体金属を使用して冷却効率を上げているのが隠れたポイントです。

また、M.2 SSDスロットにも放熱機構が用意されているだけでなく、2スロットになっていたのも見逃せません。公式には最大2TBとなっているストレージですが、将来的には増設の余地がありそうです。

  • キーボードは一般的な配列でテンキーも付いています。電源、スリープボタンが枠外にあるのも好ポイントです

  • 電源は230Wのものが付属します

  • 本体左側面。盗難防止ロックと、USB3.2Gen2x1、ヘッドフォン、マイク端子があります

  • 本体右側面。USB3.2Gen2x1が2つとSDカードスロットがあります。CPU、GPUのヒートシンクはヒートパイプで結合されていますが、左右にファンがある関係で両サイド(と後方に)排気されます

  • 背面。実はThunderbolt4対応なのは「R5-RL6」だけで、「R5-RL5」はUSB-C端子からの映像出力に対応していないため、Mini-DP端子が付いています。これも含めてメインボードは完全に別モノでした

  • 展示機に3DMARKが入っていたので軽く動かしてみましたが、大体10FPS違っており、スコアは1.2倍ほど違いますが、インストール言語が異なっていたりするので参考程度の値と思ってくださいませ

価格に関してですが、企業や個人事業主が単年度経費にするためには20万円の壁があり、これを超えると固定資産台帳を作成して4年の減価償却期間が必要になることから「R5-RL5」が用意されたようです。

しかし、青色申告の個人事業主・中小企業者に関しては(本来2年間限定の)30万円未満の少額減価償却資産が一括経費計上できる特例があるので、青色申告者はこれを活用すればよさそうです(特例に関しては令和4年度に何度目かの延長がされています)。

なお、HXシリーズはP-Core 8+E-Core 16でPCH外付ですが、HシリーズはP-Core 6+E-Core 8でPCH内蔵と全くの別パッケージです。メモリも今回HXプロセッサの製品はDDR5でHプロセッサの製品はDDR4ですので、「R5-RL5」と「R5-RL6」のメイン基板は全くの別モノ。予算の許す限り能力の高い製品を使いたいクリエイターには「R5-RL6」の購入をおススメしたいところです。

また、新製品の関しては店頭でも展示。実際に見て触れて体験したい人はドスパラ店舗に行くのがよさそうです。直近では発売日翌日の4月29日に長野県初のドスパラ店舗「ドスパラ長野稲里店」がオープン。ここでも展示されているということなので、楽しみです。