ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(以下、BATジャパン)は、ニコチンを含まない電子たばこ製品「Vuse(ビューズ)」シリーズを国内に展開。使い切りタイプの「Vuse Go」を発売したと発表しました。すでにAmazon限定で17日から発売されており、まずはテスト販売として日本市場のニーズを検証していく考えです。

  • ニコチンを含まないベイプ製品であるVuse Go。4つのフレーバーで新登場

ベイプブランド「Vuse」の使い切り製品、初の国内投入へ

Vuseは、欧米を中心に普及しているベイプ(電子たばこ)ブランドです。海外では一定のシェアを確保しており、紙巻きたばこからの移行を促す電子たばことしてシェアを伸ばしています。ニコチンが溶け込んだ液体(リキッド)を加熱して蒸気を発生させ、その蒸気を吸い込む製品ですが、日本の規制上、同種の製品は販売できません。

そのため、JTの「Ploom TECH+ with」はリキッドを蒸気化した上で、たばこ葉を詰めたカートリッジに蒸気を通すことでニコチンを吸い込む仕組みを採用。Vuse Goでは、ニコチンが入っていないゼロニコチンのリキッドの蒸気を吸い込む形で、蒸気にニコチンは含まれません。

  • 手のひらに収まるサイズのVuse Go

ベイプ製品は、豊富なフレーバーを楽しめることが人気になっており、今回のテスト販売では4種類のフレーバーを用意。ミント・アイス、ブルーベリー・アイス、スイカ・ベリー、クラシック・レギュラーという独特な4つのフレーバーで、500パフの使いきりとなっています。価格はいずれも980円。

  • 全米ナンバー1シェアだというベイプブランドVuseの使い切り製品を初めて国内投入

  • 独特のフレーバー4種類を用意。実際に試してみると、いわゆる「爆煙」という感じで蒸気を吸い込めて、様々な味わいを楽しめる製品となっていました

規制はありますが、ゼロニコチンのベイプ製品は国内でもいくつか投入されており、BATジャパンではその市場規模を約600億円と見積もっています。ただ、これまでのベイプ製品、特に使い切りタイプはあまり大きな市場規模になっておらず、同社ではまずテスト販売によって、日本市場のニーズを見極めたい考えです。

  • 日本の潜在的な市場規模は600億円。Vuse Goのようにリキッドを補充できないクローズドシステムのベイパー製品の売り上げ規模は、世界で1,880億円とのことです

国内では加熱式たばこのgloシリーズを展開するBATジャパンは、すでに日本の収益の半分以上が紙巻き以外のたばこ製品となっており、その中心は加熱式たばこになっています(2022年)。2021年にはその割合が47%だったことから着実に成長しています。

  • 日本では、同社の売上の半数以上が加熱式たばこのgloを中心とした日燃焼式製品となりました

  • シェアトップのフィリップ モリス ジャパンを追撃するBATジャパンですが、glo hyper X2の投入など、製品拡充でシェアは7.4%まで拡大しました

メインのgloシリーズに加え、歯茎と頬の間に挟んでニコチンを摂取するオーラルたばこである「VELO」は、オンラインと全国のたばこ販売店、福岡市内のファミリーマート・イオン九州の一部店舗と販路が限られていたにも関わらず、前年比2倍という売上を記録。オンラインの売上の1/4が東京からのものだったことから、東京都内のファミリーマート約2,300店舗でも5月29日から取り扱いを開始。販売店を約3,600店舗に拡大してさらなる拡販を目指します。

  • オーラルたばこのVELOは2020年に投入

  • 販路が限られる中、販売数量は確実に拡大してきました

同社は「たばこに関する害のほとんどは、たばこを燃やすことによって引き起こされる」としており、燃焼しない加熱式たばこや電子たばこはたばこの害を減少させるハームリダクション製品と位置づけます。英国では国の政策として、紙巻きたばこの喫煙者にベイプ製品を無償提供して移行を促しており、同社としてもさらに非燃焼式のたばこ製品をさらに拡大していきたい考えです。

  • エマ・ディーン社長

同社のエマ・ディーン社長は、Vuse Goの発売は「あくまでスタート地点に過ぎない」と強調。新カテゴリーの製品として、BATにおける非燃焼式製品ポートフォリオの柱のひとつになることを期待しています。

  • グローバルでマルチカテゴリー戦略を打ち出す同社として、日本でもベイプ製品の追加で非燃焼式製品の移行をさらに推し進めたい考え

  • 3種類となった同社の非燃焼式製品