女優の萬田久子が主演を務める東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『グランマの憂鬱』(毎週土曜23:40〜)にて、村長・橋本文五郎役を演じる俳優のモト冬樹が、自身が演じる役柄や同作の見どころについて語った。

  • 萬田久子、モト冬樹

――今回の役のオファーを受けたときの感想を教えてください。

刑事ドラマや医療ドラマ、恋愛モノといったさまざまなドラマの中にあって、この『グランマの憂鬱』で描かれる世界はとても平和じゃないですか。もちろんさまざまな問題が持ち上がるけれど、殺人事件やドロドロの不倫劇が起こるわけでもない。私たちの身近で起きる出来事を、とても丁寧に描いています。

以前からこういうドラマをやりたいなと思っていたのでお話をいただいた時は嬉しかったし、台本を読んで非常に面白いと感じました。私が演じるのはグランマをサポートする村長ですが、普段は村の人たちとも気軽に話をするような存在。そのメリハリを心がけながら演じています。

――都会で生まれ育ったモトさんから見て、百目鬼村のような何もない村での暮らしは?

ある意味、シンプルでいいですよね。お店がなかったり交通機関が整っていなかったりと、都会に住み慣れた人にとっては大変な部分があるかもしれない。でも不便になればなるほど、そこで暮らす人たちの人間関係が「濃く」なると思うんです。だって、皆でいたわり合って、助け合って生きていかなくちゃいけないから。そういう意味では百目鬼村みたいな場所で暮らすと、「生きていく上で何が大切なのか」が見えてくるんじゃないかな。

――萬田さんのグランマっぷりはいかがですか?

これまで共演したこともあるしプライベートでも仲良くさせてもらっていますが、萬田さんは一緒にお仕事をしていて非常に楽しい人ですよね。ただ、こういう役は初めてだと思うし、常に凜としたグランマは優しくてかわいいイメージの萬田さんとは真逆のキャラクターだから、最初は苦労したんじゃないかな。でも萬田さんが本来持っている良さをグランマに合わせていけばいいと思っていたので、すぐに違和感はなくなりました。今では立派な、村の総領ですよ。

――現場の雰囲気はいかがですか?

萬田さんのようなナチュラルな人が主役だからなのか、現場もみんな仲がいいし、いい意味で気を遣わなくていい、明るい雰囲気ですよ。足立梨花ちゃんも、喋ってみると気取りがなくて楽しいし。それと加藤柚凪ちゃんも現場を明るくしているよね。その一方で撮影が始まれば台詞を間違えないし、演技的にもすごく上手で……。「この子、天才か?」と思いながら共演しています。将来が楽しみというか、ちょっと末恐ろしいよね(笑)。

――このドラマの面白さをどの辺りに感じていますか?

題材となるのは、皆さんの周りで起こるような身近な問題ばかり。それをグランマが一刀両断のもとに解決していくというストーリーなんですが、実はグランマは決して「こうしなさい」と断定するわけではないんですね。それはきっと、同じ問題であっても人によって正解は異なるし、最後に決断するのはその人自身だから。グランマが「喝!」を通して、悩んでいる一人ひとりに最適な「道しるべ」を示してくれるところが面白み。基本は明るく楽しいお話ではあるけれど、実はそうした展開もドラマの内容に深みを与えているんじゃないかな。

――最後に、第4話の見どころについても教えてください。

別れた妻が元夫の住む村に戻ってきて、さあどうする? という展開。さまざまな問題を取り上げるこのドラマの中でも、非常にナーバスなテーマに切り込んだ回です。この問題をグランマがどのように解決へ導くのかが、やっぱり一番の見どころですよね。個人的には夫婦でも恋人同士でも、「相手をどれだけ愛せるか」は「どれだけ許せるか」と同じだと考えているので、そんな視点でも見てもらえればと。そしてこの回に限らず、毎回さまざまな問題が起こるので、「自分だったらどうするのか」と考えてもらうと、一層楽しめると思います。

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