愛知県豊橋市には、「続日本100名城」(日本城郭協会選定)の一つで、NHK大河ドラマ「どうする家康」でも話題の徳川家臣団リーダー、酒井忠次が城主を務めた吉田城がある。豊橋市は、市指定史跡・吉田城址の貴重な価値を市民の共有財産として後世に継承するため、「吉田城址保存活用計画」を策定した。
豊橋市を代表する文化財の一つとして、市教育委員会は2022年3月30日、吉田城址を市の史跡に指定した。市民の貴重な歴史的財産として保存、活用などの方針を定めるため22年度に計画づくりを進めていた。4月7日から、豊橋市美術博物館のサイトで計画を公開している。
保存活用計画では、保存、活用のビジョンとなる将来像に「人が集まり・楽しみ・守り伝える 豊かな歴史に出会う吉田城址」を掲げた。
今後、遺構の保存や歴史的景観の見える化を目的に、計画的な剪定、伐採で樹木を管理していく。活用に向けた取組として、吉田城址や周辺の遺構、文化財に関する調査研究を進めるとともに、効果的な情報の発信により知名度を高め、観光資源としての価値を向上させていく。
また、都市公園としての環境や都市景観と共存しながら、史跡吉田城址の魅力を高める整備などを目指していく。具体的には、未来に残していきたい歴史的な景観などを城址内の見どころとしてビュースポットに設定、見える化に向けて積極的に取り組む。現地での城郭施設の復元については、見える化や遺構保護の取り組み等を進めた上で、真に必要とされる場合に検討するという。