尾田栄一郎氏原作の『ONE PIECE』(以後、ワンピースと表記)は、海賊王を目指す少年モンキー・D・ルフィが主人公のファンタジー冒険作品です。1997年の連載開始から25年が経過し、物語はついに最終章へと突入しています。ワノ国編で新たに登場したヤマトが、ルフィの仲間になるか否かにも注目が集まりました。
そこで本記事ではヤマトの人物像から最終的に麦わらの一味に加入したのかなどについて紹介します。
『ワンピース』に登場するヤマトとは
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出典:amazon
名前 | ヤマト |
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年齢 | 28歳 |
誕生日 | 11月3日 |
身長 | 263cm |
悪魔の実 | イヌイヌの実 幻獣種モデル“大口真神”(おおくちのまかみ) |
能力 | ニホンオオカミを神格化したような姿に変身し、冷気や氷を操ることができる。 |
声優 | 早見沙織 |
般若の面をつけカイドウの息子を名乗るというインパクトの強い登場を果たしたヤマト。身体的特徴は女性であるのにもかかわらず息子を名乗り、初めて会うはずのルフィに対してずっと待っていたと意味深な発言をしたことで登場と同時に注目を集めました。
ここからは、ヤマトの人物像を詳しく紹介していきます。
性別は女
容姿を見てわかるように、ヤマトの性別は女性です。しかし本人は自分のことをカイドウの息子と言い張り、一人称は「僕」を使用しています。さらに実の親であるカイドウや周りの幹部たちもヤマトを男性として扱っていました。また、最終決戦後の入浴時はルフィたちとともに男風呂に入る様子が描かれています。
なぜ本来は女性であるヤマトが男性として生きているのかというと、光月おでんへのあこがれが強すぎた結果でした。ヤマトは20年前におでんの処刑を目撃し、彼の最期に感銘を受けます。それ以来、光月おでんになりたいという気持ちが芽生え、本当に光月おでんを自称するようになりました。しかし、自称するだけではとどまらずおでんと同じ性別になることを決めたため、ヤマトは男性として生きるようになります。
光月おでんを自称
おでんの処刑を目撃し大きな衝撃を受けた当時8歳のヤマトは、その後偶然にも、おでんの航海日誌を拾っています。ヤマトはこれをバイブルと呼ぶほど愛読しており、おでんが記した言葉に強く賛同するようになりました。
おでんの冒険の大部分を知ったヤマトは彼を支持し、おでんの意志を継ぐ者が必要だと感じます。その結果、自らが光月おでんとなり彼が果たせなかった開国を成しとげようと決意するのでした。
カイドウを嫌う理由
ヤマトは、あこがれのおでんを処刑に追いやった張本人であるカイドウに対しては強い反発心を見せていて、幼い頃から何度も挑み、そのたびに返り討ちにあっていたようです。しまいには島から離れると爆発するという手錠を付けられて、20年にも及ぶ軟禁生活を強いられます。
心の中では実の子を爆破するはずはないと思いつつも、カイドウの人柄を知っているが故に本当に爆発するのではという不安を抱えていました。ルフィが手錠を外してみると本当に爆発したため、ヤマトはそこでカイドウと縁を切ることを決意し、決戦へと向かうのでした。
イヌイヌの実の能力者
ヤマトが食べた悪魔の実は、イヌイヌの実 幻獣種モデル“大口真神”です。カイドウはこの実をヤマトに食べさせるつもりはなかったらしく、またヤマトもそれが悪魔の実だとは知らず空腹に耐えかねて食べたようです。
カイドウの実の子というだけあり、ヤマトは8歳の頃には既に覇王色の覇気を無意識ながら使用していたと思われます。この頃悪魔の実を口にしたのではないかという説が濃厚で、それ以来、着実に実力をつけています。カイドウの首を取りに来たポートガス・D・エースに夜通し応戦して、飛び六胞のうるティを一撃で倒す活躍を見せました。
人獣型では無侍氷牙(ナムジヒョウガ)という口から冷気を放出する技で、カイドウの熱息(ボロブレス)を打ち消すことに成功しています。また、氷諸斬り(ひもろぎり)という、金棒に冷気をまとわせ斬りつける技ではカイドウを叩きつける程の威力を見せました。
もともとの素質に悪魔の実の能力が加わったことで、ヤマトは現在、作中でもかなり上位に入るつわものになっていると言えるでしょう。
ヤマトは仲間になるの?
結論からお伝えすると、ヤマトは海に出ず麦わらの一味とはワノ国で別れます(コミックス1057話)。ただ、その際ルフィからは仲間として認められているので、今後合流する可能性も残される別れとなっていました。
モモの助たちはすでにヤマトの出国を受け入れて見送る気でいましたが、ヤマトはワノ国に留まり、ルフィたちと別れます。その決断に驚く錦えもんに対してヤマトは、ワノ国の漫遊から始めたおでんにならって、世間知らずの自分もまずはワノ国を知りそれからいつか海に出ようと考えていることを明かしました。
ヤマトが麦わらの一味に加入するか否かの結末は、仲間として認められたものの一緒に冒険には出ないという形で幕引きとなります。
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ヤマトが仲間になると言われていた理由
最終的にはサニー号に乗船せずワノ国に残ったヤマトですが、その決断はなかなか予想できないものでした。そこでここからは、ヤマトが麦わらの一味に仲間入りするのではないかと言われていた理由をいくつか紹介します。
まずはじめに、ヤマトが登場初期から一貫して海へ出たがっていたこと、そして出るならルフィの船に乗せてもらう気でいたことがあげられます。ヤマトはルフィなら自分を船に乗せてくれると信じルフィの入国をずっと待っていたと言っていましたし、カイドウとの直接対決ではルフィと一緒に海へ出ると宣言していました。
そして次に注目されたのが、ヤマト自身が麦わらの一味に対してサニー号に乗せてもらうと宣言してからあいさつをしたことです。この時ルフィは激戦の末に眠っていたので不在でしたが、カイドウ撃破後もルフィとともに海へ出たいというヤマトの意志は変わっていませんでした。
他には、仲間集めを始めたばかりのルフィは“10人は欲しい”と言っています。ジンベエが9人目の加入者だったこともあり、初登場から一貫して加入の意志が強かったヤマトが10人目になるのではないかという予想の声が多くあがっていました。
ヤマトがルフィを待っていたのはなぜ?
ヤマトが面識のないルフィを待っていた理由は、過去にルフィの義兄であるエースと出会っていたからでした。ルフィがワノ国に入国する4年前、エースはすでにカイドウを狙いワノ国に攻め込んでいました。
ヤマトはこれを迎え撃ち、夜どおし戦い続けたことでなぜか2人は意気投合。それからは互いの事情を打ち明けながら親交を深めていきました。軟禁状態だったヤマトはエースから外の話を聞き、その際にルフィの存在を知ります。当時ルフィはまだ15歳で海には出ていなかったものの、海賊になってからはすごい勢いで名を上げていきました。
ヤマトはそれらの情報を追っていたので、海賊王を目指すルフィならいつかワノ国を訪れるだろう、エースの弟ならきっと自分を船に乗せてくれるような気前のいい人物だろうと信じ、ルフィの入国を待っていたのでしょう。
ヤマトが仲間にならないと言われていた理由
ヤマトが登場してすぐに10人目の仲間になるのではという予想の声が上がるなか、それに反対する意見も同じく上がっていました。ここからは、ヤマトが仲間にならないと言われていた理由をいくつか紹介します。
ヤマトがルフィの仲間にならない理由としてもっともあげられていたのは、ヤマトがおでんの航海日誌を読んでいたことです。ルフィはシャボンディ諸島で海賊王の元クルーであるシルバーズ・レイリーと出会った際、未知の情報を得ることを激しく拒絶しています。
ヤマトがおでんの航海日誌を読んだことで歴史のすべてを知ってしまっていると思われていたため、ルフィはヤマトとともに冒険に出ることを受け入れないのではないかと言われていました。ただ、ヤマトが拾った航海日誌からはもっとも重要なページが破り捨てられていた事が後に判明します。とは言えヤマトは冒険の大部分を知ってしまっているので、ルフィがどう判断するかに注目が集まりました。
他には、ヤマトが食べた悪魔の実がイヌイヌの実だったこともあげられます。実は『ワンピース』には、麦わらの一味に所属する能力者たちが食べた悪魔の実を数字であらわすと、数が1つもかぶっていないという数字の法則があります。この法則に倣うと、ルフィのゴムゴムの実は5と6。ロビンのハナハナの実は8と7。このように数字であらわしていくと2と9だけ空いているんです。そこで連想される悪魔の実はニキュニキュの実なので、10人目にはバーソロミュー・くまが仲間入りするのではないかと考察ファンの間ではささやかれていました。
この説に対して、原作者の尾田氏も驚いたと反応しています。そして、どういう意味で驚いたかはノーコメントという意味深なコメントを残していました。これにより、イヌイヌの実の能力者であるヤマトは仲間にならないと唱える声が上がっているのです。
また、ヤマトが食べたイヌイヌの実は幻獣種モデル“大口真神”と言われていて、貴重な幻獣種とされていました。そしてカイドウが、その能力はワノ国の守り神だと言っているのでイヌイヌの実モデル“大口真神”を食べたヤマトは、今後も守り神としてワノ国に残留する責任がある可能性が示唆されていたようにも思います。
これらの理由から、ヤマトは仲間にならないとも言われていました。
ヤマトがサニー号に乗らなかった理由
ワノ国を漫遊してから海へ出たおでんにならって、自分も漫遊から始めると言ったヤマト。
どこまでもおでんをリスペクトするヤマトらしい決断でしたが、カイドウとの決戦後、ワノ国に緑牛が攻め込んできたことも残留の決断に大きく影響しているでしょう。この時は近くにいたシャンクスの助力で窮地をしのぎましたが、新たな将軍となったモモの助ではまだワノ国を守りきることは難しいと実感したはずです。
おでんの様に漫遊から始めるというのももちろん本心だと思いますが、それ以外にも今はまだワノ国を出国するときではないという気持ちが働いたのだと思います。そのため、あれだけ念願だった出国を先送りしたのでしょう。
ヤマトとルフィはこの件で話はついているようで、出航の際ヤマトはルフィからいつでも迎えに来ると言われていました。またこれまでヤマトのことを“ヤマ男”と呼んでいたルフィが、この時に初めて“ヤマト”と呼びかけています。ヤマトはルフィから仲間と認められたうえでワノ国に残っているので、アラバスタで別れたビビと似た立場になるようです。
ヤマトの母親は誰?
ヤマトの父親は元四皇のカイドウであることが確定していますが、母親についてはまったく情報がありません。ヤマトの母親候補として考察されている人物は何人かいますが、中でも可能性が高いと言われているのがビッグ・マムことシャーロット・リンリンです。
カイドウとビッグ・マムはかつてロックス海賊団のメンバーとして同じ船に乗っていました。そしてそのロックス海賊団が壊滅したのが38年前なので、ヤマトが生まれた28年前に面識があるのは確定です。
また、カイドウはビッグ・マムのことをリンリンと呼んでいます。作中ではビッグ・マムのことをリンリンと呼んだ人物には、元夫のパウンドと、育ての親とも言えるシュトロイゼンがいます。もしかすると、家族同然の彼らと同じ呼び方をするカイドウもまた、ビッグ・マムと特別な関係だったのかもしれません。
ヤマトの声を担当した声優は?
ヤマトの声を担当したのは声優の早見沙織さんです。
早見さんは数々の人気作品に出演している実力派声優で、代表作には『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶ役や、『SPY×FAMILY』のヨル・フォージャー役などがあります。映画『聲の形』では聴覚障害のある少女・西宮硝子という難しい役柄も見事に演じきりました。
主にかわいらしい女の子や成人した女性を多く演じています。早見さんがヤマトのような快活で少年らしい役を担当するのは珍しいと言えるでしょう。
『ONE PIECE FILM RED』にヤマトは登場する?
結論からお伝えすると、残念ながら映画『ONE PIECE FILM RED』にヤマトは登場しません。
2022年8月に公開された劇場版第15作『ONE PIECE FILM RED』は、バトル終盤にギア5状態のルフィの姿が描かれていることから時系列としてはワノ国出国後の出来事となっていますが、ヤマトの登場シーンはありませんでした。
ヤマトの登場を期待するファンには残念でしたが、全世界を対象にした人気投票でシャンクスやチョッパーらをおさえ11位にランクインするほど人気があるヤマトなので、次回作以降の登場に期待しましょう。
ヤマトの決断とともにワノ国編終幕
ヤマトは原作に初登場するや否や、10人目の仲間候補として注目を集めました。結果的にサニー号に乗船することはなくルフィたちとはワノ国で別れたものの、今後船に乗る可能性も残される別れとなっています。
長かったワノ国編も終幕を迎えました。しかし、おでんの夢である開国やジョイボーイの謎が残されているので、おそらくワノ国にはふたたびスポットが当たるでしょう。その時には、ヤマトが麦わらの一味に加入するのかにも注目です。
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