アドビは4月25日、全国の保育園・幼稚園児および小学生の保護者500名を対象に実施した「子どもが学校で受け取るプリント類のデジタル化に関する実態調査」の結果を発表した。
同レポートは、3月16日~3月22日、子どもが保育園・幼稚園および小学校に通っている全国の保護者500人(保育園・幼稚園/小学校、男女でそれぞれ125名ずつ)を対象に実施した調査結果に基づく。アドビが同調査を実施したのは、2019年に続き2回目となる。
文部科学省は2020年10月、学校が保護者などに求める押印の見直しや、学校・保護者間の連絡手段のデジタル化を推進するよう求める通知を出したが、その後、学校・保護者間の連絡手段のデジタル化が進んだと思うかを聞いたところ、「とても進んだと思う」が17.0%、「どちらかというと進んだと思う」が38.6%と、合わせて半数以上(55.6%)がデジタル化について進んだと回答した。
一方で、学校・保護者間の連絡手段のデジタル化を進めるべきかについて聞いたところ、「進めるべきだと思う」が27.4%、「どちらかというと進めるべきだと思う」が47.2%と、7割超がさらなるデジタル化を進めるべきだと考えていることがわかった。
保育園・幼稚園もしくは小学校とのやり取りにおいて、デジタル化が進んだと思う項目を聞くと、「欠席や遅刻の届け出」が40.0%で最多。次いで「お知らせやおたより」が39.0%、「給食の献立表」が33.2%となった。
デジタル化して欲しい項目について聞くと、前述の3項目が上位3位までを占めた一方で、4位の「保護者の署名やハンコなど承認が必要な届け出(32.8%)」はデジタル化が進んだと思う項目との開きがあった。
子どもが学校から受け取った紙資料をスキャンしてデータ化する、写真を撮りスマートフォンで管理するなどの方法で、保護者がデジタル管理をしているか聞いたところ、34.5%(2019年より12.5ポイント増)が現在行っていると回答した。
紙のプリントをデジタル化するために使用しているツールを聞くと、「スマホカメラアプリ」が最多の37.8%。次いで「Adobe Scan」が30.8%で前回調査から一番高い増加幅を示し、スキャン機能付きツールの利用が増加傾向にあることがわかった。
紙のプリントをパートナー間でどのように共有しているかを聞くと、「紙で家の中などに貼って共有している」が54.6%で最多。次いで「口頭で伝えて共有している」が41.6%。また、「クラウドツールなどを活用してデジタルで共有している」が29.4%と、約3人に1人がデジタル化して共有していた。
紙のプリントをパートナー間で共有できずに困った経験があるか尋ねると、「頻繁にある」が16.3%、「ときどきある」が39.8%で、合わせて半数以上(56.1%)が困った経験をしていた。さらに、外出先で情報を確認できずに困った経験については「頻繁にある」が17.7%、「ときどきある」が47.1%で、合わせて64.8%が困った経験があることが判明した。