米Googleは4月24日(現地時間)、2段階認証用アプリ「Google Authenticator」(Google認証システム)にクラウド同期機能を追加するアップデートの提供を開始した。Android版はバージョン6.0、iOS版はバージョン4.0にアップデートすることで利用できるようになる。
クラウド同期はユーザーから導入を強く求められていた機能だった。
2段階認証は、ショッピングサイトやSNSなどWebサイトやオンラインサービスにログインする際に、パスワードに加えて、短時間で定期的に更新されるコードの入力を必要とする追加のセキュリティ機能だ。コードの確認にはSMSや音声通話、2段階認証用アプリを利用でき、スマートフォンで管理しやすいアプリを選択している人は多い。
セキュリティを高めるために「Google認証システム」は、ローカルで安全にデータを管理し、これまで1台のデバイスに利用を制限してきた。機種変更の際に、新しいデバイスに移すことは簡単にできる。しかし、デバイスを紛失したり、修理できないような破損、または新しいデバイスにエキスポートせずに古いデバイスを初期化してしまうと、アプリで2段階認証コードにアクセスできなくなる。2段階認証の設定で電話番号など他の方法を登録していなかったり、バックアップキーを控えていないと、場合によっては「Google認証システム」アプリのデータを失った時点で再ログインが非常に困難になる。「Authy」やMicrosoftの「Microsoft Authenticator」はクラウド同期をサポートしており、「Google認証システム」にも同様の機能を求める声が上がっていた。
バージョン6.0(Android)またはバージョン4.0(iOS)にアップデートした「Google認証システム」を起動すると、Googleアカウントへの同期を設定する画面が表示される。クラウド同期を有効にすると、Googleアカウントにログインできる人が「Google認証システム」の2段階認証コードにアクセスできるようになるため、これまで以上にGoogleアカウントのログインのセキュリティに留意する必要がある。クラウド同期をセキュリティ・リスクと感じる場合は、従来と同じ「アカウントなしでAuthentificatorを使用」を選択できる。
「Google認証システム」の最新版では、アイコンが従来の金庫をイメージさせるデザインからモダンでフレンドリーなデザインに刷新された。また、コード更新までの時間の表示など細部のUI/UXを改善、より操作を理解しやすくなっている。