「おあいそ」という意味をご存知でしょうか。飲食店で食事しているときに聞いたことがある方も多いですよね。

ここでは、「おあいそ」の意味や由来、使い方・例文を紹介します。

「おあいそ」の意味・由来とは

  • 「おあいそ」の意味や由来とは

    「おあいそ」の意味や由来とは

食事の勘定を支払うときに、なぜ「おあいそ」という言葉を使うのでしょうか。 この章では、この疑問に答えながら、「おあいそ」の意味や由来について解説します。

「おあいそ」の意味

「おあいそ」には「お会計する」・「お勘定する」という意味合いがあり、元々は寿司屋での「お会計」という意味で使用されていました。

「おあいそ」は漢字に直した場合、「お愛想」となり、「愛想」は「人当たりのよい態度・人に接するときの態度」を表します。そのため、「おあいそ」には、「客へのもてなしや心遣い」という意味を示す場合があります。これらの意味が転じて、「おあいそ」は「飲食店でのお会計・お勘定」という意味を表すようになりました。

「おあいそ」の由来

「おあいそ」は、「愛想を尽かした」という言葉が語源で、「愛想尽かし」を縮めた言葉です。かつては遊郭の中で使用されていた言葉で、その当時は「もうお店に来たくない」というニュアンスを表していました。

また、「おあいそ」には、店側が「代金を払ってほしい」と客側に伝えるときに「お愛想がなく申し訳ありません」と断りながら、勘定をお願いしていたことから派生したという説も存在します。

これらの意味から始まり、時代が進むにつれて、「おあいそ」は「飲食店でのお会計・お勘定」を表すようになりました。

「おあいそ」の使い方・例文

  • 「おあいそ」の使い方・例文

    「おあいそ」の使い方・例文とは

意味や由来を知ることができましたが、実際に「おあいそ」を使用する場合は、どのような場面と状況で使えばよいのでしょうか。この章では、「おあいそ」の使い方について例文を交えつつ解説します。

「おあいそ」の使い方

会計時に「おあいそお願いします」と伝えることについて現代ではあまり問題にはなりません。「おあいそ」という言葉は、現代においては客側も使うことがそれほど珍しいことではなくなっているからです。

しかし、本来は店側が使う言葉のため、客側は使わないことが望ましいです。お店によっては「おあいそ」を使うことで、無礼に捉えられてしまう恐れがあるためです。そのようなときには、「おあいそ」を別の言葉に言い換えて使いましょう。

「おあいそ」の例文

これまでの解説から、「おあいそ」は店側と客側の両方が使える言葉です。 「おあいそ」を使うとき、店側の視点と客側の視点を例文にして、それぞれ紹介します。

店側の「おあいそ」

  • おあいそが無く申し訳ありませんが、支払いをお願いいたします

客側の「おあいそ」

  • おあいそお願いします

「おあいそ」を使うときの注意点

  • 「おあいそ」を使うときの注意点

    「おあいそ」を使うときの注意点とは

「おあいそ」を使う際には、誤った使い方をしてしまうと、相手に対して礼を欠くことがあ ります。この章では、注意すべきポイントを紹介し、なぜ間違った使い方が浸透したのかについて解説します。

お会計時の「おあいそ」は失礼?

「おあいそ」とは、店側が「愛想がないことで申し訳ありませんが、お支払いをお願いいたします」という意味で謙遜して使われていた言葉です。

一方で、客側が使用すると「もう店には来ない」という意味に捉えられてしまうこともあります。今は「お会計」の意味として捉えられることがほとんどですが、「店に来ない」という意味でも捉えられた場合を考えると、失礼だと思われてしまっても仕方ありません。別の表現に言い換えた方が無難でしょう。

つまり、「おあいそ」とは、客側と店側で全く異なる意味を持つ言葉です。そのため、「おあいそ」を使う場合には、時と場所を考えて正しく使いましょう。

「お会計」の意味で使うようになった理由

そもそもなぜ客側が「おあいそ」を使うようになったのでしょうか。

諸説ありますが、「おあいそ」は、時代がたつにつれて、本来の意味から「お勘定・お会計」の意味に変化してきました。そして、店側の「おあいそ」という言葉を客側が聞き、それを真似て使うようになった説が有力です。

現代では「お勘定・お会計」の意味として使われるようになったので、客側として「おあいそ」といっても通用することがほとんどですが、本来の意味は違うということを覚えておきましょう。

「おあいそ」の3つの類義語

  • 「おあいそ」の3つの類義語

    「おあいそ」の3つの類義語とは

「おあいそ」は、状況によって異なる意味に捉えられます。そのため、言い換えられる表現を知っておけば、後々「おあいそ」を使用するときに困らなくなるでしょう。この章では、「おあいそ」の類義語とその活用方法について解説します。

「お会計」

「おあいそ」を別の言葉に言い換える場合、「お会計」が一般的です。

「お勘定」

「おあいそ」を言い換える場合、「お会計」に加えて「お勘定」も基本的にどのようなお店でも問題なく会計を済ませられます。

「チェック」

「チェック」は、国内だけではなく、海外でも「お会計・お勘定」と同じ意味を伝えられます。

一方で、「チェック」を使用するときに、言葉とともに両人差し指でバツを作って知らせる人もいますが、日本では否定的な表現に受け取られ、あまり好まれない表現です。したがって、「チェック」と日本のお店に伝えるときは、言葉のみで伝えるようにしましょう。

「おあいそ」の英語表現

  • 「おあいそ」の英語表現

    「おあいそ」の英語表現とは

「おあいそ」を英語に言い換えたいときは、「Check」・「Bill」を使用しましょう。 アメリカであれば「Check」、イギリスやオーストラリアなどのその他の英語圏では「Bill」を使用し、「Check/Bill please.(お会計お願いします。)」 でお会計を済ませます。 「Check please」と「Bill please」は、定番の言い方で、カジュアルな使い方が可能です。

もう少し丁寧に伝えたい場合には、「Can I have the check/bill?(お会計してもらってもいいですか)」と相手に伝えましょう。

「おあいそ」の正しい意味を知ろう

  • 「おあいそ」の正しい意味を知ろう

    「おあいそ」の正しい意味を知ろう

「おあいそ」という言葉を何気なく使っていた方はこの記事を読んで、驚いたのではないでしょうか。お会計という意味の「おあいそ」は世間にある程度浸透し、基本的には使用しても問題のない言葉ですが、本来の意味は異なるということを覚えておきましょう。

「おあいそ」の正しい意味を知り、適切な使い方を心がけましょう。