嵐の松本潤が主演を務める大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)。浅井長政役の大貫勇輔がコメントを寄せた。

  • 浅井長政役の大貫勇輔

――浅井長政をどのような人物と解釈して演じられましたか。

はじめは清く正しく美しく、綺麗なカッコいい人物と勝手に思っていたのですが、台本を読み込んで役が自分の中に入ってくると、自分自身の正義と、愛する娘や妻がいることのはざまで、すごく苦しみ、悩み、そして、最後には、愛のためもあるとは思いますが、自分の信じるもののために命をかけるという選択をした彼の信念の強さに心打たれました。体の動きのことですが、彼の強さを出すためにできるだけ重心を重く、体の動きが軽くならないように意識しました。「どうする家康」では人間の繊細な心の動きだったり、関係性みたいなものを的確にそして、ドラマチックに描かれていて、本を読み込んでいけばいくほど、深いなと思っていました。役者冥利に尽きます。

――“義の男”が、最終的に信長を裏切ることを決断する心情、そして家康に対して「ともに信長を討ち取ろう」と声を掛けた家康への思いを、どのように捉えて演じましたか。

初めは信長に憧れ、そばにいられることに喜びや誇りを感じていたと思いますが、近くにいたからこそ見えた信長の本心や野望を知った時に、自分の信じるものとは違うと少しずつ感じ、最終的には忠義の強い、誠実な長政でも、危険だと思ったから裏切ったのだと思います。そして、家康のことはずっと気になっていて、初めて会った時に彼の中の何か特別なものに心打たれたのだと思います。きっとそれは言葉にはならない感覚のようなものだったのかなと思います。

――収録現場にて、岡田准一さんや松本潤さんとお話されたことや共演されての感想を教えてください。

岡田さんの織田信長としての存在感や緊張感が現場に充満していて、現場で自然と長政の心持ちが理解できました。松本さんとは「いつか一緒にお芝居したいね」と話をしていたので、今回ご一緒できたことが純粋に嬉しかったです。

――妻・市(北川景子)にも見張りをつけていた長政でしたが、第15回では見張りを解き、市が織田のもとに戻れるようにしました。長政の心情変化をどのように捉えられましたか。

初めは信長を討つということに思いが強くいって、嫁であり、織田家であるお市のことも愛してはいるが、警戒していたのかと。しかし、もしかすると命を落とすかもしれないとなった時に愛するものを守ることを優先したのかと。そして、帰ってきた時にまだいるということに長政は心震えたと思います。命よりも大切なものだと。襖をあけて、お市の姿を、強い瞳を見た時に、熱いものが込み上げてきました。

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