気仙沼市(けせんぬまし)は、宮城県北東部の太平洋岸に位置し、各地へ赴く漁船の一大基地である気仙沼港を有しています。フカヒレや生鮮カツオなどの海産物のほか、地元特産の農産物やB級グルメとして人気の「気仙沼ホルモン」など、美食のまちとしての一面も持っています。
今回は、「東日本大震災の記憶と教訓を後世へ伝え続ける」という気仙沼市のふるさと納税寄附金の使い道について紹介します。
気仙沼市のふるさと納税の使い道「東日本大震災の記憶と教訓を後世へ伝え続ける」について
・対象年度:令和3年度(2020年4月1日~2021年3月31日)
・対象事業:震災遺構・伝承館を拠点に、東日本大震災の記憶と教訓を後世へ伝え続ける
・その事業に費やした総費用:5762万5152円
・総費用のうち寄附の充当額:3733万162円
気仙沼市は、東日本大震災で大きな被害を受けました。この事業は、当時の出来事を後世に伝承し続けるため、二度と同じ悲しみを繰り返さないため、被災地の使命としての取り組みです。
2019年3月に「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」が開設されました。被災した気仙沼向洋高等学校を、震災遺構として被災当時の「ありのままの姿」で保存。隣接地に震災伝承館を整備し、震災の爪痕を「目に見える証」として残し、警鐘を鳴らし続けることを目的としています。
12年の歳月が流れ当時の記憶は薄れつつあるなか、二度と同じ悲しみを繰り返さないため、被災地の使命として取り組み続けていくという地域の想いのもと、活動を行っているそうです。
具体的な内容は主に以下3つ。
・震災伝承活動の充実化
・震災の被害を被災当時の姿そのままに目に見える形で残し続けるための、定期的な施設の維持補修
・当時の状況を震災経験者のリアルな記憶と言葉で伝える、伝承活動の取組みのひとつ「語り部」の運営
3つ目の「語り部」の中心となっているのは、地元の住民や中高生なのだそう。震災という経験を通じて、感じたこと、海に対する思い、人の温かさや絆などを伝え、防災への意識づけだけでなく、日常の大切さを考えるきっかけになってほしいという想いで活動しているとのこと。
「震災遺構・伝承館を拠点に、東日本大震災の記憶と教訓を後世へ伝え続ける」の活動実績
主な活動実績は以下のとおりです。
・対象年度:令和4年度
・対象事業:震災遺構・伝承館を拠点に、東日本大震災の記憶と教訓を後世へ伝え続ける
・震災遺構・伝承館入館者数:4万1378人
うち団体の受け入れ
【小学校】16校 / 814人
【中学校】69校 / 4882人
【高校】48校 / 3815人
【大学・専門学校】23校 / 659人
【一般企業】45社 / 461人
【その他団体】184団体 / 2511人
コロナ禍で近年の入館者数は減りましたが、令和4年度は回復傾向にあるとのこと。平成31年3月の開館以来の入館者数は、累計15万6000人となっています。
事業者と来館者の声
気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館では、震災の教訓を伝え二度と同じ悲しみを繰り返さないよう、日々伝承活動を行っております。
自分の命や、大切な人の命をどうすれば守ることができるのか、伝承活動を通じて一人一人に考えていただく機会となることを切に祈っています。
来館者からは次のようなメッセージが寄せられています。
・命の大切さを実感しました
・遺構として残してくれてありがとう
・子どもが生まれたらまた来ます
・震災の怖さが改めて分かりました。来てよかったです。必ず後世に伝えます
自治体からのメッセージ
東日本大震災という未曽有の災害を経験し、津波で町が流され暗い世界となっていた中で、私達の心に光を、そしてまちに彩を与えてくれたのは、皆さまからのご支援や温かいお言葉です。
あれから12年の月日が流れ日常を取り戻しつつありますが、私たちの使命として震災の記憶と教訓を後世に伝え続けていきたいと思います。
それは同じような自然災害で「同じ悲しみを繰り返さない」ためです。
記憶も教訓も時間とともに風化しやすいものですが、二度と同じ悲しみが生まれることのないように気仙沼市は取り組み続けます。
今回は宮城県気仙沼市のふるさと納税の使い道「東日本大震災の記憶と教訓を後世へ伝え続ける」を紹介しました。年月が流れても、未曽有の災害の経験や教訓を風化させないよう、次の世代へ伝えていくという大きな使命を背負った自治体の想いが伝わる事業でした。取り組みに興味をもった方は、気仙沼市のふるさと納税を一度チェックしてみてください。
※寄附金額は掲載開始日(2023年4月23日)時点のものです。