福山雅治と大泉洋が、FBI捜査官と刑事としてタッグを組むことで話題になっているTBS系日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』(4月23日スタート、毎週日曜21:00~)。本作の東仲恵吾プロデューサーが、2人のキャスティング理由や、実際撮影に入り感じたバディ感の化学反応、作品に込めた思いなどを語った。
■障がいは一つの個性なんだと感じてもらえたら
本作は、『グランメゾン東京』、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』などを手掛けた黒岩勉が脚本を務める完全オリジナルストーリー。全盲の人たらしFBI捜査官と、犯人逮捕のためなら手段を選ばない孤高の刑事がバディを組んで、さまざまな事件を解決していく物語だ。
東仲氏は「企画として立ち上がったのは2年ぐらい前」と語ると、「以前、視覚障がいの方に取材させていただいたとき、僕らが思っているよりも、不便ではない生活をされていて、逆に僕らができないようなこともしっかりとされていると感じたんです。いまの時代のなかで、月並みな表現ですが、障がい者というくくりではなく、それは一つの個性なんだなと。事件というものを通して、そういった主人公像を描きたいと思ったんです」と意図を説明する。
■福山雅治&大泉洋だからこそ出せる魅力的なバディに
2019年4月期の『集団左遷!!』以来、4年ぶりの日曜劇場主演となる福山が、全盲の人たらしのFBI捜査官・皆実広見に扮し、難事件を解決していく完全オリジナルストーリー。そんな皆実とタッグを組むことになる孤高の刑事・護道心太朗を演じるのが、こちらも2019年7月期の日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』以来となる大泉だ。
福山と大泉と言えば、バラエティ番組で「洋ちゃん~」と大泉が福山のモノマネをするなど、公私ともに親交がある。東仲氏は「この2人でしか作れない空気感というものがきっとあるんだろうな」と大きな期待感があったと言うと、「実際撮影に入ると、掛け合いの部分で、回を追うごとにユーモアを含んだアドリブが出てきて、まさに期待していた通り、この2人でしか出せないような関係性が出来上がっています。相当魅力的なバディになっていると思います」と期待を煽る。
現場では大泉がいろいろなアイデアを出して、撮影を盛り上げてくれているという。東仲プロデューサーは「大泉さんって稀代のエンターテイナーという印象があると思われますが、センシティブな部分も持ち合わせていて、キャラクターを一つ一つ丁寧に紡いでいくという側面もお持ちなんです。だから、キャラクター像がどんどん膨らんでいっています。オファーしたときに想像していた役柄の上をいく2人になっていると思います」と大きな化学反応が起きているという。
■福山雅治&大泉洋の起用理由
さらに東仲氏は2人の起用理由について「全盲の主人公という設定を含めて、ヒーロー然としていながら、障がいがあるがゆえに周囲に頼れる人懐っこさ、そういう面を持っている人というと福山さんしかいないなと。普段のスターな部分はもちろん、ラジオなどで見せる兄貴分的な顔、スマートさなど、皆実というキャラクターにマッチしていると思ってオファーしました」と語る。
大泉が演じる護道は、警察庁長官を務めた由緒正しき一家の出でありながら、自ら志願してキャリアの道を進むことを選ばなかった孤高の刑事。犯人を捕まえるためなら、手段を選ばないという一面も持つ。東仲氏は「大泉さんは視聴者の方もご存じの通り、すごく親しみやすい方なのですが、周囲を和ませながらも、クールな面もあることを、以前僕が助監督をしていた現場で感じたんです。今回は格好いい大泉さんを作り上げて、ぜひ、この作品で観てもらいたいと思ったんです」とオファーの理由を語っていた。
東仲氏の期待以上の演技を見せてくれているという2人。「福山さんはアメリカ国籍、全盲のトップ捜査官、素晴らしい実績……まあある意味で『こんな人いないだろう』と思えるようなキャラクターなのですが、福山さんが演じると『いそうだな』と思える説得力があります。大泉さんも、心太朗というのはすごく多面的なキャラクターなのですが、背景にあるものをしっかり考えて、見事にアジャストしてくださっています」
■永瀬廉・今田美桜も臆することなく演技
福山、大泉のベテラン以外にも、永瀬廉、今田美桜ら若い俳優たちも作品に彩りを与える。東仲プロデューサーは「永瀬さんは人の懐に入るのがうまいというか、最初は緊張していたものの、いまは年齢差関係なく輪の中心にいるような方。一方の今田さんは、グッと輪に入っていくタイプではないのですが、おしとやかで控え目ながらも、周囲を惹きつけるタイプかなと。福山さん大泉さんはスーパースターですが、いい意味で、永瀬さんも今田さんも臆することなくキャラを演じてくださっています。2人とも重要な役どころなので、楽しみにしていてほしいです」と評価していた。
「多様性が叫ばれるなか、障がいというものが、ハンデではなく一つの個性なんだと感じていただければいいなと思っています」と作品に込めた思いを語った東仲氏は、「福山さん演じる皆実がヒーローでありつつ、周囲から助けを受けているからこそ、伝わるものもある。堅苦しく言うとそんな感じですが、福山さんと大泉さんの丁々発止も面白いので、肩ひじ張らずにぜひ観てほしいです」と語っていた。
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