資生堂は4月20日、東京都立大学との共同研究により、肌へのセルフタッチ(自分で自分の肌に触れること)で幸福感が増大することを解明したと発表した。
同社は、東京都立大学名誉教授・菊池吉晃氏との共同研究を実施。その結果、セルフタッチのポジティブな効果を脳の活動から発見したという。
具体的には、自分で自分の肌に触れると、触れる動作と心地よい感覚を脳内で統合し、ストレス状態における過剰な交感神経の活性を鎮静化する。また外部に対する注意や意識を低下させるとともに、危機感や不安感を抑制する効果も示されたとしている。
実験では、実験参加者が自身の左手の甲を単純な動きでソフトに触れることで、脳の変化をMRIにて測定。すると、外界に対する注意や警戒に関与し、交感神経の活性化に関与する前帯状皮質(ACC)、扁桃体の活動の低下がみられたほか、血圧を上げる中枢がある吻側延髄腹側部(RVM)の活動の低下も確認できたという。
同社は、このような反応は「自分は安全な環境にいる、大丈夫」という感情につながると推察。「肌にセルフタッチするスキンケアを通して安心感を得ることは、前向きな気持ちで日々を過ごせる幸福感にもつながると期待できる」としている。