規格外や豊作の旬野菜を生かす冷凍食品宅配サービス

糖尿病や腎臓病にも対応したメディカルな健康食宅配サービス「ミールタイム」を手掛けてきたファンデリー。蓄積したノウハウを生かし、2020年「旬をすぐに」という20～30代をメインとした新たな食事宅配サービスを開始しました。国産食材のみを生産者から直接仕入れ、すぐに調理。マイナス70℃の瞬間冷凍でおいしさを閉じこめて各家庭に届けています。
メニューありきで食材を調達するのではなく、規格外や旬を迎えて価格が下がっている食材を中心に仕入れ、そうした食材に合わせて料理人や管理栄養士がメニュー開発を行います。そのため国産食材100％にもかかわらず、消費者が手に取りやすい価格で提供でき、ラインアップも毎日のように更新されます。
このビジネスモデルを支えているのが、「旬すぐ共栄会」という独自の食材調達システムです。

条件次第で、売りたい時だけ出荷できる！　独自の入札システム

「旬すぐ共栄会」は、登録している全国の生産者を結ぶオンライン上のネットワークです。各農家とは生産契約を結んでいるわけではなく、仕入れはその都度、入札型で行われます。
まず、「旬をすぐに」が必要としている野菜の品目や価格の目安、納期、量、野菜の形状（カット、皮むき等）などをシステム上で生産者に提示。その条件での取引を希望する生産者が入札し取引が成立します。食材はすべて調理されるため、規格外野菜でももちろん問題ありません。
一斉入札とは別に、生産者側からの買い取りオファーも受け付けています。豊作や取引先の休業などで野菜が余ってしまった場合、生産者は直接「旬をすぐに」に連絡。電話で価格などを相談した後、システム上で個別入札をして取引を成立させます。

入会条件は「土を落とすこと」だけ

気になる疑問を経営企画室の高橋茉央（たかはし・まお）さんに聞いてみました。

──共栄会への入会料や手数料などはかかりますか？

一切かかりません。入会さえしていただければ、野菜を売りたい時だけ入札に参加し、余った時だけ個別に連絡をいただく形で構いません。

──生産者はどのように募集しているのですか？

“旬すぐカー”で全国各地を巡る“旬すぐツアー”をしながら、その土地の農家さんに直接声をかけたり、県庁の方に紹介してもらったりしています。もちろん、直接ご連絡をいただければ、いつでも入会していただけます。

──共栄会に入会するための条件はありますか？

特にありませんが、土を落としていただくことだけお願いしています。加工しやすい形にカットまでしていただけるとありがたいですが、必須条件ではありません。農薬などに関する規定も設けていませんし、家族経営の農家さんから大きな企業まで、規模の大小も問いません。

──共栄会への入会から入札まではどんな流れで進みますか？

入会を希望された方には、システムのURLをお送りしています。そのリンクにアクセスすれば入札画面に入っていただけます。特に複雑な仕様ではないので、高齢の農家さんでも問題なく使っていただけると思いますが、必要な場合は電話などでサポートもさせていただきます。

──少量でも買い取ってもらえますか？

はい。段ボール1箱でも買い取らせていただきます。

──価格はどうやって決めているのですか？

市場価格などを参考にしつつ、農家さんの利益が確保できる金額を目安として提示しますが、条件によってその都度、農家さんと個別に相談して決めています。加工しやすくカットしていただけるなら加工代金をプラスすることもありますし、送料を価格に上乗せしていただくことも可能です。

＊　＊　＊

これまで廃棄していた野菜も収益につなげられる販路があるのは、生産者にとって心強いはず。しかも大きな手間やコストも不要。売りたい時だけ、余った時だけ利用できるサービスです。まずは入会して、条件に見合った入札が行われているか見てみるのもよいかもしれません。



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