SNSなどで見聞きする「お疲れサマンサ」という言葉。なんとなく意味は分かるけれど、使うタイミングや元ネタが何なのかは詳しく知らないという人も多いでしょう。
本記事では「お疲れサマンサ」の詳しい意味や注意点に、元ネタ、再流行のきっかけを解説します。「お疲れサマンサ」への返事の仕方もまとめました。
「お疲れサマンサ」の意味とは
「お疲れサマンサ」とは、「お疲れ様」と欧米人の名前「サマンサ」を掛け合わせたギャグです。
「お疲れ様」と同様に、相手に対するねぎらいの気持ちを伝えるときや、挨拶として使います。ただし、あくまでギャグなので、言葉を掛ける相手やシーンによっては使用を控えた方が賢明です。
友人や家族など、親しい相手に向けて使うと、場もなごむでしょう。
「お疲れサマンサ」は、もともとは1980年代頃から流行していたといわれていますが、ここ最近までは死語扱いされていた言葉です。しかし後述するようにTikTokなどで若者を中心に人気が出て、再流行しました。
「お疲れサマンサ」の元ネタ・由来は?
「お疲れサマンサ」の元ネタについては、いくつか説があります。代表的なものを3つ紹介します。どの説が正解かは断定できませんが、それぞれが影響し合っているということも考えられます。
奥さまは魔女説
アメリカで大ヒットし、日本でも1960年代に放送されていた人気ドラマ『奥さまは魔女』に出てくる主人公、「サマンサ」の名前が由来であるという説です。
『奥さまは魔女』は、人間界にやって来た魔女のサマンサと、彼女の夫、そしてサマンサの母などのドタバタな日常を描いたコメディーです。 2004年には、舞台を日本に移したリメイク版も放送されています。
のりピー語説
1986年にアイドルとしてデビューし、「のりピー」の愛称で有名な酒井法子さん。「いただきマンモス」「やっピー」など、彼女の独特の言い回しが話題になり、その言葉は「のりピー語」として多くの人に親しまれていました。
当時、多数ののりピー語が誕生し、酒井法子さん本人が言い出したものもあれば、ファンが言い出したものもあるそう。「お疲れサマンサ」も、そのうちの一つなのではないかというのが、のりピー語説です。
ドラマ『BOSS』のセリフ説
俳優である竹野内豊さんが、2009年に出演したドラマ『BOSS』の作中で口にする「お疲れサマンサタバサ」というセリフが元ネタだという説もあります。
サマンサタバサは女性向けのバッグやジュエリーのブランドで、1994年の誕生以来、若い女性を中心に人気を博しています。
「お疲れサマンサ」が再流行した理由は『呪術廻戦』の五条悟のセリフ
「お疲れサマンサ」が再流行したきっかけは、『週刊少年ジャンプ』の連載漫画『呪術廻戦』の登場人物、五条悟のセリフといわれています。
『呪術廻戦』は、人間の負の感情から生まれる呪いと、呪いを呪術で祓う呪術師との戦いを描く大人気作品。2018年3月から連載が開始され、2020年10月にはアニメ化、2021年12月には映画化も果たしています。
五条悟は主人公の虎杖悠仁(いたどりゆうじ)が通う東京都立呪術高等専門学校の教師です。最強クラスの実力を持つ、呪術師としての凛とした顔とは裏腹に、軽くてマイペースな性格の彼が口にするセリフが「お疲れサマンサ」だというわけです。
若者言葉としての人気に火をつけたのはTikTok
前述の『呪術廻戦』では、漫画だけでなくアニメ内でも「お疲れサマンサ」と言うシーンがあります。その音源を使用して作られた動画が、TikTokで若者を中心に流行し、「お疲れサマンサ」という言葉がさらに広まりました。
動画の音源で使われているセリフは「お疲れサマンサ」の他に「マジ?」「そろそろかな?」「領域展開」があります。それぞれのセリフのタイミングに合わせて表情やポーズを変える動画を、多くの人が投稿しました。
「お疲れサマンサ」への返し方
もし自分が相手から「お疲れサマンサ」と言われたときには、どのように返せばいいでしょうか。冗談交じりの挨拶には、相手との関係性によって返答を変えることをおすすめします。
ここでは2つのパターンを紹介します。
相手の調子に合わせる
仲が良い相手であれば、調子を合わせて「お疲れサマンサ」と返すのもいいでしょう。
また、元ネタの一つといわれている「お疲れサマンサタバサ」にかけて、「タバサ」と返す方法もあります。
なお『奥さまは魔女』の主人公夫婦の娘はタバサなので、たとえ相手がサマンサタバサというブランドを知らなくても、タバサのことは知っているかもしれません。
「お疲れ様です」と返す
目上の人など、こちらがため口やギャグで返すのがためらわれる相手から言われた場合は、「お疲れ様です」と返すといいでしょう。
ただし、真面目な顔で「お疲れ様です」と返すと、上司のギャグをたしなめているようにも見えてしまいます。気まずい雰囲気にならないよう、声のトーンを明るくしたり笑顔を向けたりと、ひと工夫することをおすすめします。
「お疲れサマンサ」は一時期は死語だったが、再流行したネットスラング
最近になって再度流行した「お疲れサマンサ」は、以前は死語でした。世代によっては懐かしく感じ、挨拶をきっかけに会話が弾む機会もあるでしょう。
ただし、冗談交じりの挨拶ではあるため、使う相手やタイミングを見誤らないようにしましょう。