とある通販サイトにて、日本円と中国元で共通の通貨記号「¥」を悪用し、表示価格の約20倍の金額が請求されたという悪質な事例が報告されている。国民生活センターが注意喚起を行っている。ぱっと見で判断しづらい手口で、自衛するしかないとのこと。
国民生活センターによると、被害者は、「Calli-Calli」という通販サイトにて「¥1,680」と表記されたカリグラフィーガイドブックをクレジットカードで購入。しかし、クレジットカード会社から届いた決済のお知らせメールには、「¥32,916」と記載されていたという。そこで、通販サイトを隅々まで確認したところ、「通貨は中国人民元円です」という説明が。その後、通販サイトの販売業者とは連絡が取れず、返金も受けられない状況になったのだとか。
実は、この事例での通貨記号「¥」は、日本円ではなく中国元を示していたのだ。記事掲載時点のレートで換算すると、確かに1,680元は33,000円程度となる。これは日本円(YEN)と中国元(YUAN)の「通貨記号」が同じために起こってしまう問題で、国民生活センターには同様の相談が複数件寄せられているようだ。
この問題の対策として国民生活センターでは、「『¥』表示が『日本円(JPY)』なのか、『中国人民元(CNY)』なのか、通販サイトを隅々まで確認」したり、トラブルの際は最寄りの消費生活センターや、消費者ホットライン「188」へ相談してほしいとしている。通販サイトであれば、ユーザーの声が聞けるような口コミサイトも参考になるかもしれない。「¥」だけでなく、「通貨コード」である「JPY」と「CNY」の記載がないかは確認したほうがよいだろう。
ネット上では「日本語で売ってるところで人民元とか酷すぎる」「円か元で表示するように義務化しないと、同じようなことが繰り返されると思います」「ネットで買い物する方も店頭販売とは違うリスクを認識してポチッと押すべき」などの声が寄せられた。