俳優の中村倫也が、7月クールに放送されるテレビ朝日系ドラマ『ハヤブサ消防団』(毎週木曜21:00~)で主演を務めることが18日明らかになった。

中村倫也 (C)文藝春秋

『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』『七つの会議』『民王』『アキラとあきら』『シャイロックの子供たち』など数々のヒット作を世に送り出してきた池井戸潤氏の最新作を映像化する。豊かな自然が広がる長閑な集落にやってきたミステリー作家を主人公に、ホラーテイスト漂う予測不能なストーリーが展開されていく同作は、銀行ミステリーの誕生といわしめた『果つる底なき』でミステリー作家の登竜門である江戸川乱歩賞でデビューし、作家としてのキャリアをスタートさせた池井戸氏にとって原点にして新境地といえる作品だ。

物語は、スランプ気味の作家・三馬太郎が亡き父の故郷、山間の“ハヤブサ地区”に移住するところから始まる。都会のストレスから解放され、穏やかな生活が送れるかと思いきや、地元の消防団に加入したのを機に太郎は連続放火騒動に巻き込まれ、さらには住民の不審死など怪事件に遭遇。真相を探りはじめた太郎の前に浮かび上がるのは、集落の奥底にうごめく巨大な陰謀だった。

戸惑いながらも不穏な事件にからめとられていく主人公・三馬太郎を演じるのは、最近結婚も発表し、公私ともに順調な中村。今作でテレビ朝日の連続ドラマ初主演を果たす。池井戸作品への出演は『下町ロケット』(15年/TBS)で若き技術者を演じて以来8年ぶりで、「『下町ロケット』に出演した際、先生の直筆メッセージの書かれた原作本をいただき……すごく特別な思い出だったんですね。あれから何年か経て、またこうしてご一緒できることはすごく感動的です」と、本作のオファーに胸躍らせたことを告白。演じる三馬太郎は池井戸氏と同様、推理小説の新人賞を得てデビューしたミステリー作家であり、事件に巻き込まれていく主人公であることから、「久しぶりにリアクターとして楽しめる撮影になりそうです。その土地のさまざまな人や自然、起こる出来事、すべてに対する反応の仕方で、三馬という人が見えてくるのではないかと思います」と早くも役柄を分析、クランクインを心待ちにしている様子で語った。

コメントは以下の通り。

■中村倫也(三馬太郎 役)

――オファーを受けたときのお気持ちを教えてください。

『下町ロケット』に出演した際、先生の直筆メッセージの書かれた原作本をいただきました。作家の方からそういうものを頂くのは初めての経験だったので、すごく特別な思い出だったんですね。あれから何年か経て、またこうしてご一緒できることはすごく感動的ですし、またプロデューサーもドラマ『ホリデイラブ』でお世話になった方で、そうした巡り合わせにうれしい気持ちでした。

――池井戸作品にはどのような印象を持っていますか?

没入感があります。人物の描き方と巧みな配置で感情移入がスムーズにできますし、物語の構成もスリリングで心地よい起伏があります。

――本作は池井戸作品の中では異色のミステリーですが、 脚本を読んだ感想を教えてください。また、今回演じる三馬太郎という役どころの印象も教えてください。

まだ序盤しか脚本は読めていませんが、久しぶりにリアクターとして楽しめる撮影になりそうです。その土地のさまざまな人や自然、起こる出来事、すべてに対する反応の仕方で、三馬という人が見えてくるのではないかと思います。

――作品にちなんで、 “田舎町”や“消防団”にまつわるエピソードがあれば教えてください。

ないものねだりだと言われればそれまでなのですが、東京出身で祖父母も東京に住んでいた私にとって、田舎と呼べる存在がなくて……。憧れがあります。

――視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。

楽しんでいただける作品になると思います。三馬と一緒に考察して、謎を追いかけてください!

■池井戸潤氏(原作)

中村倫也さん演じる「三馬太郎」は、ふとしたキッカケで、高原の田舎町に引っ越してきたミステリ作家です。デビューから五年。残念ながら人気はやや下降気味で、作家として少々難しいところに差し掛かっているという設定です。

物語は、そんな太郎が地元の消防団に勧誘されるところから始まり、やがて安寧の日々を脅かす、連続放火犯と対決することになります。インテリの書斎派、少々なまっちょろい太郎が、知恵と観察力を武器にどうやって犯人に立ち向かうのかは、大きな見どころになるでしょう。そんな太郎を心配して、東京から出張してくる名物編集者との掛け合いも見逃せません。中村さんの三馬太郎、いまから楽しみです!