オススメのガジェット(1)Polarのスマートウォッチ

質の高い睡眠トラッキングのデバイスとしては、Polarのスマートウォッチが展開が早かった。睡眠ステージの計測が詳細で、交感神経および副交感神経のモニタリングと回復具合の提示も、この手のガジェットでは早期に提供を開始している。睡眠時覚醒の計測などもかなり細かく検出する。

  • Polar Ignite 3

    Polar Ignite 3

毎日ジムに行ってトレーニングとするとか、ランニングやジョギングなどの習慣があるということでなければ、Polarのスマートウォッチは5日ほどはバッテリーが持つ。睡眠トラッキングを目的として入手するのは悪くない。しかも、Polarのスマートウォッチは軽量でスマートなモデルが多く、ずっと装着しておく違和感も小さい。

Polarのスマートウォッチはデータを「Polar Flow」というクラウドサービスと同期するため、自分の睡眠データは年単位でクラウドサービスから確認することもできる。睡眠トラッキング以外にもさまざまな身体データをモニタリングして記録してくれるので、睡眠トラッキングも含めて導入を検討する価値のあるガジェットだ。

オススメのガジェット(2)Garminのスマートウォッチ

もう一つのガジェットとしては、Garminのスマートウォッチをオススメしたい。最近のアップデートで、Polarの自律神経の回復具合を計測するのとほぼ同じ機能が導入されたし、Garminの提供する機能はわかりやすさの面でひとつ抜けているところがある。

  • Garmin MARQ Golfer (Gen 2)

    Garmin MARQ Golfer (Gen 2)

Garminのスマートウォッチにはボディバッテリーと呼ばれる機能が備わっており、人の回復具合をスマートフォンのバッテリー残量のように表示してくれる。睡眠の質が高いとこのバッテリーの充電がよく進み、朝目が覚めると100%まで回復することもある。

こうしたときの睡眠モニタリングデータを見ると、ストレスが低く心身がよくリラックスして睡眠ステージも理想的なサイクルを示していることが多い。睡眠に関する知識がなくてもボティーバッテリーを確認すればだいたいの回復具合がわかるのでともかくわかりやすい。

そしてGarminのスマートウォッチは、モデルにもよるがバッテリー駆動が長い。これも使い方にもよるがアクティビティを使わないのでれば、1週間以上は持つことがあり、2週間くらいいけることもある。ロングバッテリーなモデルなら1カ月いけることもある。とにかく身に続けることが大切なデバイスなので、これは推しのポイントになる。

データに基づいて「眠りの質」改善へ取り組む

スマートウォッチなどを使って「眠りりの質」を計測するようになると、人によっては睡眠による回復が弱いことに気がつくと思う。ストレスが抜けずに比較的交感神経が優位な状態が続いていること、肉体の回復が弱いこと、神経系の回復が弱いことなど、さまざまなバッド・ポイントが見えてくのではないだろうか。

あとはいろいろ試しながら、どうすれば「眠りの質」が改善されるのかをトライ&エラーで調べていくだけだ。

「眠りの質」は生活習慣や遺伝的体質などいくつかの要因に依存するため、改善方法は一概に示すことはできない。よく指摘されているポイントを挙げると、次のようになる。

  • 朝に陽の光を浴びる時間を作る
  • 朝にトリプトファンの豊富な食品を食べる(卵、納豆、魚など)
  • 日中に運動をする
  • 夕方から徐々に室内を暖色系の照明にする
  • 夕方から徐々に室内の照明を暗くする
  • 夕方からPCやスマホはナイトモードにシフトさせる
  • 睡眠前に強い運動をしない
  • 睡眠の3時間前には食事を済ませる
  • 睡眠の前に過度の飲酒をしない
  • 睡眠の前に副交換神経を優位にするようなマッサージをする
  • 睡眠する部屋は十分に暗くする

ポイントは実施した結果をガジェットで計測して、どの程度の変化が出るのかを記録することだ。原因と結果を一つずつつぶしていき、平均的な睡眠スコアの向上を狙っていく。「眠りの質」は健康に直結するし、高齢になってくれば見た目にも違いとして表れてくる。早めにこうした取り組みを始め、「眠りの質」を改善する取り組みを進めることは生活のクォリティを上げるうえでとても大切だ。

Apple Watchを使う場合は充電タイミングの工夫を

睡眠トラッキングをコンシューマーへ広げるきっかけとなったApple Watchだが、睡眠トラッキングを実施するガジェットとしてはバッテリーの駆動時間が短い。UI/UXは優れているが、その分、すぐにバッテリーが切れてしまう傾向がみられる。

Apple Watchで睡眠トラッキングを行う場合は、肝心なときにバッテリーがなくならないように、いつ充電するかを生活の中で習慣づけておくことが大切だ。寝ている間にバッテリーが切れてしまっても困るし、日中必要なときに切れてしまうのも本末転倒だ。充電タイミングを工夫してデータのモニタリングを続けられるようにしよう。