ヘリテージカーから最新の電気自動車(EV)まで、さまざまなクルマが集まるイベント「AUTOMOBILE COUNCIL 2023」(オートモビルカウンシル2023)が開幕した。会場には希少なクルマが大集合していたが、驚いたのはレストア歴なしでありながら状態良好かつ走行可能な「ハコスカ」こと「スカイライン 2000 GT-R」に出会えたこと。ほかにも注目のクルマが目白押しな会場の様子をお届けしよう。
フェラーリもポルシェも!
オートモビルカウンシルは今回で8回目。展示車両の台数は過去最多の計166台だ。主催者テーマ展示はポルシェ「911」の60周年を記念した「初期ナローからカレラGTまで」とエンツォ・フェラーリ生誕125周年企画「フェラーリ・スペチャーレ」の2本立てとなっている。
会場には目もくらむようなクルマが所狭しと並んでおり、詳しく話を聞けば1台1台にストーリーがありそうだったのだが、中でも珍しいと思ったのが「AUTO ADVISER STUFF」(愛知県豊橋市)が展示していた日産自動車「スカイライン ハードトップ 2000GT-R」(型式:KPGC10)だ。このクルマはもともと4ドアセダン(型式:PGC10)として1969年に登場し、1970年には旋回性能向上と軽量化のためにホイールベースを70mm短縮、2ドアハードトップに進化した。「ハコスカGT-R」の愛称で人気の1台で、展示車は1972年式だ。
AUTO ADVISER STUFFの川村荒治さんによると、このハコスカGT-Rはレストア歴なし(ノンレストア)のオリジナル車両であるとのこと。たったの「2オーナー」でここまで生き残った、まさに「サバイバー」だ。50年も前のクルマだから、いろいろな人の手に渡る中でさまざまな改造、カスタムを施されていてもおかしくないし、あるいは誰かがクルマを納屋などに放置してしまえば錆び放題になってしまう可能性もあるわけだが、この車両は奇跡的(?)に、クルマを大事にする少数の人間の手によって保管されてきたのである。
クルマを詳細に見てみると、ボディは時代がついて独特の風合いになっている。シミになってはいけないので、あえてワックスはかけていないそうだ。シートには擦り傷も裂けめも見当たらない。触ってみると張りがあって、押すとフカフカして新品のようだ。ドアの内側のモールは日に当たるとダメになりやすい部分だそうだが、ご覧の通り良好な状態を維持している。
紹介したクルマは展示車両のほんの一部。ここで見ておかないと、下手をすると二度と見られない稀少車もあるはずだ。オートモビルカウンシル2023の会場は幕張メッセ(千葉県千葉市)、会期は4月16日までとなっている。