テレビ朝日系ドラマ『帰ってきたぞよ! コタローは1人暮らし』があす15日にスタートする。(毎週土曜23:00~※初回は30分拡大SP) 今作は、2021年4月期に放送されたドラマの続編で、関ジャニ∞の横山裕が演じる売れない漫画家・狩野進と、川原瑛都演じる訳アリな1人暮らし少年・さとうコタローの物語だ。2人が暮らす「アパートの清水」の住人で、見た目は怖いが大の子ども好き、コタローを溺愛する田丸勇役の生瀬勝久も続投が決定。今回は生瀬に、2年ぶりに集結した共演者の印象や作品の魅力を聞いた。

  • 俳優の生瀬勝久 撮影:泉山美代子

    俳優の生瀬勝久 撮影:泉山美代子

■続編に感じる責任感とプレッシャー

――続編が決まったときの心境を教えてください。

いろいろなドラマでシーズン2や3の経験があるのですが、「絶対グレードアップしないと」という責任感が生まれるので、続編って難しいんですよね。プレッシャーを感じています。

――生瀬さん演じる田丸さんのパワーアップした点を教えてください。

声が大きくなりました!(笑)大きな声を出すと、そこからほとばしるものが必ずあって相手の反応も変わってくる。大きな声は深みのあるお芝居に繋がるんです。

■芝居は“演じる”のではなく“憑依”タイプ

――田丸さんを演じるうえで心がけていることはありますか。

僕は役作りや予習をしないのがモットー。現場に行ってたとえばコタローくんがいたら、田丸がどういう気持ちでコタローくんと接するのか、コタローくんを目の前にして感じた気持ちを、“演じる”というよりも、“起こす”という感覚です。

――言葉にするなら「その人として生きる」といったような。

僕は感覚でお芝居をするので、その瞬間その人になることが自分にとっての究極のお芝居だと考えています。僕のこの体と顔と声、自分のフィルターでしかできないものを作ることに意味がある。その枠をはみ出したことをやろうとするとボロが出て、本物じゃない偽物の人間になってしまう気がするんです。安直な言葉になるけど、いわば“憑依”。そのキャラクターを自分に下ろしてやってみて、監督のやりたいことを聞いて調整していく、イタコのようなスタイルでお芝居をしています。無理に作るわけではないから疲れることもありませんし、楽しくてしょうがない。楽しくなきゃ何十年も続かないですよね。

■2年ぶりに集結した共演者の印象

――続いて共演者の皆さんについてお伺いします。まずは主演・横山さんの印象を教えてください。

もうこの世界も長くて、いろいろなお仕事をされているし、いろいろなことを知っているので、「自分はこういう人間だから、こうしよう」と自分のペースをしっかりと確立されている印象ですね。

――瑛都くんとはドラマ『未来への10カウント』でも共演されていましたが、変化を感じる点はありますか。

ちょっと生意気になってきたので、僕の地位が脅かされないように出る杭は打っておかないとと思っています!(笑)

――(笑)。最後に、山本舞香さんの印象を教えてください。

最初は「生瀬さんが怖い」と言っていたらしいのですが、僕も「こえーなぁ」と思っていたので、お互い怖がっていたようです(笑)。今はたくさん話ができる関係になって、撮影現場では一緒に楽しく過ごしています。

■横山と川原の忘れられないシーン

――作品全体としてパワーアップしているところを教えてください。

やはり「初回1時間拡大スペシャル」です。どれだけテレビ朝日が力を入れているか、期待を感じますよね! 初回が1時間だと、通常通りの30分のエピソードを見たときに「もっと見たい」という気持ちになるはずなので、なるほど、テレ朝、やるな! と思いました。

――(笑)。では、第1話は重要ですね!

でも「30分」ならではの魅力もあります。30分にあれこれと展開を詰め込むドラマもありますが、このドラマはゆったりとしたテンポで30分を構成しているのが特長で。夜遅い時間に子どもにフォーカスを当てた作品を放送するというところも、どこか不思議な存在感を放つドラマになっていると思います。今でも覚えているのですが、前作の、狩野とコタローが川べりを2人で歩いているシーンが本当に印象に残っていて……好きなんです。ゆったりと流れる2人の時間、肩の力の抜けた横山くんの自然なお芝居がすごく素晴らしくて。あのシーンを見るだけで、いいドラマになることが確信できました。監督やプロデューサー、皆の思いが詰まった『コタロー』の世界観を、映像からしっかりと受け取っていただける続編になっていると思っています。

■生瀬勝久
兵庫県出身、1960年10月13日生まれ。同志社大学在学中に劇団に入団し、4代目の座長に就任、作・演出を手がける。退団後はドラマや映画に多数出演。代表作に『TRICK』シリーズ、『ごくせん』シリーズ、『リーガル・ハイ』シリーズ、『知ってるワイフ』、『あなたの番です』、『MIU404』、『べっぴんさん』、NHK大河ドラマ『功名が辻』など。2023年はドラマ『リバーサルオーケストラ』に出演し、現在バラエティ番組『それって実際!? どうなの課』にMCとしてレギュラー出演している。