WOWOWプライム&WOWOWオンデマンドで放送&配信中の映画情報番組『斎藤工×板谷由夏 映画工房』(毎週金曜 21:30~放送・配信※無料放送)のスペシャルトークイベントが13日、東京・新宿歌舞伎町の109シネマズプレミアム新宿で行われ、斎藤工、板谷由夏、工藤梨穂監督が出席した。
映画好きの斎藤工と板谷由夏が語りつくす、 映画との新たな出合いを提供するWOWOWの映画情報番組『映画工房』。放送開始12年目を迎えた同番組が、イベント翌日に開業を控えた109シネマズプレミアム新宿とコラボしたスペシャルトークイベントを開催した。同劇場でのイベントは初となる。
イベントの前には出演者とスタッフ満場一致で選出した名作『ニュー・シネマ・パラダイス』を35mmフィルムで特別上映。観客と一緒に鑑賞した斎藤は「(映画の)内容が内容だから、公式には明日誕生する場所で、終盤の映画館がなくなっていくシーンを見るとエモーションにとらわれますね。贅沢な時間だったと思います」と感動した様子で、板谷も「やられましたね。観客の皆さんと一緒に共有できてうれしかったです」と同作を鑑賞しながら何度も涙が溢れ出てきたという。
また、4月13日からオープンする同劇場は、先日亡くなった坂本龍一さんが音響システムを監修。斎藤が「ケーブル1本にもこだわっていて、坂本さんがこの場所を残してくれました。映画館の価値といったらあれですが、そういったモノを体験できるにふさわしい空間になっています。坂本さんを筆頭にそういった映画館が新宿にこのタイミングで生まれたことは大きなことだと思います」としみじみと語った。
イベントの後半では、若手監督の登竜門PFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワード2018でグランプリを受賞した、『裸足で鳴らしてみせろ』の工藤梨穂監督も登壇。PPFのグランプリ受賞で映画監督となった工藤監督は「PPFを入賞した人は次の作品を作れるチャンスがあるので、自分も含めて自主映画の人にとってはすごい希望でした。何者でもない自分が長編映画を作ろうとするのって自分だけの力ではどうしても限界があって、PPFのスカラシップを勝ち取って作らなければいけないというのが目標としてありました」とPPFに応募した理由を説明。映画監督としても活動している斎藤は「反対の目線から言うと、多くの映画祭は次に繋がりづらいのも日本映画祭の大きな課題。映画祭に出して映画製作を卒業する人が結構います。スカラシップというのはかなり日本映画のクリエーターが誕生するに必要な装置の気がしますね」と若いクリエーターが活躍しにくい日本の現状を憂いていた。