「大事をとって」は、体調不良などで休むことを伝える際に使う言葉です。ビジネスシーンでもよく使う表現なので、正しい使い方を覚えておきましょう。

本記事では、「大事をとって」の意味や使い方・例文を解説するとともに、類語・言い換え表現や英語表現についても紹介します。

「大事をとって」の意味とは?

  • 「大事をとって」の意味とは?

「大事をとって」は、「慎重に・用心する」「念のため」などの意味をもつ言葉です。軽々しい行動をせずに注意深く動くさまを表し、後のことを考えて慎重に行動したいときや、リスク回避の行動をしたいときなどに使います。

ビジネスシーンにおいては、風邪や体調不良などで休むときによく使うフレーズです。

「大事をとって」の使い方と例文

  • 「大事をとって」の使い方と例文

前述の通り、「大事をとって」は主に体調不良などで休みたいとき、あるいは休んでいることを伝えたいときなどに使います。この場合、「大事をとって」の後ろには「休みます」「休ませていただいております」などの言葉が続きます。

ただし、必ずしも休みを表す言葉に続くわけではありません。「大事をとって欠席します」「大事をとってリスケします」のように、予定の変更を伝える言葉を続けることも可能です。

自分自身に向けて使うことができる?

「大事をとって」は自分自身にも使える表現です。大事という言葉から「自分が大切なので」という意味に捉えられるのではないかと心配な方もいるでしょう。しかし、前述した通り「大事をとって」は慎重さや注意深さを表す言葉であり、自分が大切といったニュアンスはありません。自分自身にも問題なく使えるので、安心して使ってください。

ビジネスシーンで使える例文

口頭やメールなどで使用する場合を想定した、ビジネスシーンで使える例文を挙げます。

【例文】

「感染症の疑いがあるため、大事をとって休みます」
「Aさんの体調が思わしくないため、大事をとって休ませました」
「Bは微熱のため大事をとって休みをいただいております」
「頭痛が酷かったので、今日は大事をとって休んでます」
「朝から倦怠感が続いているので、大事をとって今日のイベントは欠席させてください」

「大事をとって」の類語・言い換え表現

  • 「大事をとって」の類語・言い換え表現

ここでは、「大事をとって」の類語や言い換え表現を紹介します。

念のため

「念のため」は、「ますます注意するため」や「確認のため」といった意味の言葉です。「倦怠感があるので念のため休みます」のように、「大事をとって」の言い換え表現として使うことができます。ビジネスシーンにおいては、下記例文のように、仕事内容で注意したい点や確認したい点があることを言い表したいときに使う方が多いです。

【例文】

・昨日完了報告を受けましたが、念のため再度確認します。
・念のため、もう一つ同じ型のものを用意しました。

・念のため確認いただけますと幸いです。

万が一(万一)

「万が一(万一)」は、「可能性は極めて低いが、事態が起こり得る状況にあること」を意味します。後のことを考えて慎重に行動したいときに使う言葉という点で「大事をとって」と似た言葉といえるでしょう。

【例文】

・万が一に備えて、防災グッズを揃えておく。
・万が一のことを考えて、緊急停止ボタンの位置を確認しておいてください。
・万が一に備えて、再度品質チェックを行います。

「大事をとって」の対義語

  • 「大事をとって」の対義語

ここでは、「大事をとって」とは反対の意味を持つ対義語を紹介します。

軽視

「軽視」は物事を軽んじて判断したり、受け止めたりするさまを表す言葉です。「大事をとって」とは逆の状態といえます。

【例文】

・今回の事故は、リスクを軽視した結果だ。
・その発言は顧客を軽視している。
・台風でもイベントを中止しないなんて、来場者のリスクを軽視している。

無理やり

「無理やり」は無理とわかっていながら強引に行うことを意味する言葉です。慎重さや注意深さを表す「大事をとる」とは反対の言葉といえるでしょう。

【例文】

・ほとんど時間がなかったが業務を無理やりねじこんだ。
・狭い隙間に、新しく買った商品を無理やり詰め込む。
・用事があると断ったのに、無理やり飲み会に連れていかれた。

「大事をとって」の英語表現

「大事をとって」にあたる英語表現はありませんが、下記の表現などを使うことで近いニュアンスになるでしょう。

・in case
I will rest today in case my cold worsens. (風邪の悪化に備えて、今日は休みます)

・act cautiously
If I hear that I should be careful about natural disasters, I act more cautiously. (自然災害に注意するように言われると、より慎重に行動します)

・play it safe
We should play it safe and get home. (大事をとって家に帰りましょう)

意味合いやニュアンスを考慮して伝わるものを選びましょう。

「大事をとって」の意味を覚えて使ってみよう

  • 「大事をとって」休むことも大切

    何かあったときは「大事をとって」休みましょう。

「大事をとって」の正しい使い方や例文などを紹介してきました。

ビジネスシーンでは自分休むときや誰かが休んでいることを伝えるときに「大事をとって」という言葉を使います。

体調不良で仕事を休むことは誰にでも起こることですが、このようなとき丁寧な言い回しでそのことを伝えられるかどうかで、その後の印象が変わってきます。ぜひ、今回紹介した内容を参考に「大事をとって」も活用してみてくださいね。