新潮社は4月13日、村上春樹の新作長編『街とその不確かな壁』(2,970円)を発売した。
村上春樹の<秘密の場所>へ――十七歳と十六歳の夕暮れ。川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを……高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、きみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。<古い夢>が奥まった書庫でひもとかれ、呼び覚まされるように、封印された「物語」が静かに動き出す。
村上春樹作品で長編小説では初めて、本の発売と同時に電子書籍でも配信している。