河出書房新社は、4月19日に発売する西加奈子著『くもをさがす』の発売前重版を10日に決定した。累計10万部となる。本書は2021年のコロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された西氏が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8ヶ月間を克明に描いた作品である。

  • 西加奈子氏・『くもをさがす』表紙

3月8日、本書発売の発表と同時に様々なニュースで取り上げられ、書店への予約注文が急増し、その後も全国書店からは予想を超える数の注文が届いているという。また、都内で開催されるサイン会の参加券が即完売となる等、発売前からの圧倒的な期待の高まりを受け、当初の初版7万部に追加して急遽3万部の増刷を決定し、発売前にして早くも10万部を突破することとなった。

  • 『くもをさがす』刊行連動フェア

  • 『くもをさがす』刊行連動フェア 作品一覧

4月19日の本書発売へ向け、全国の一部書店では「西加奈子の嵐の日々を支えた作品たち」フェアが開催中。

同書には西氏が治療中に読み、聴き、思い返すことで心の支えとなった多数の作品が引用・紹介されており、フェアでは、西氏が「あらゆる方法で私を救ってくれた芸術」と惜しみない感謝を表すそれらの作品から、一部の書籍と、これまで刊行された氏の作品とを一堂に展開する。

  • 三省堂書店池袋本店での展開

一足先に本書を読了した全国の書店員約100名からは、計4万字にのぼる熱いメッセージも。その一部が、書店店頭に掲出されるポスターに掲載されている。ほか、ジェーン・スー氏(コラムニスト)、金原ひとみ氏(作家)、ヒコロヒー氏(お笑い芸人)、高尾美穂氏(産婦人科医)氏からの推薦コメントも。

  • 『くもをさがす』店頭用ポスター

『くもをさがす』の発売は4⽉19日(電子書籍も同日発売)、定価は1,540円。題字・イラストも西加奈子氏が手掛けており、装丁は鈴木成一氏による。