今回は、「与太話(よたばなし)」の意味や使い方・例文、由来などを解説します。

与太話にはネガティブな意味合いがあるので、使い方に注意する必要があります。その他に類語も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてください。

「与太話(よた話)」とは

  • 与太話とは

    与太話の意味を解説します

与太話(よたばなし)とは、でたらめな話やでまかせのつまらない話などの意味を持ちます。愚かで役に立たないことや、いい加減な内容を表しています。

「与太」とは、愚かで役に立たないことやでたらめな人という意味合いがあるので、与太話もポジティブな意味合いで使われることはありません。

「与太話」の由来

  • 与太話の由来

    与太話の由来を解説します

でたらめな話やでまかせのつまらない話などの意味を持つ「与太話」の由来は、落語に登場する架空のキャラクターである「与太郎」からきているといわれています。

楽天家で呑気な与太郎は、ぼんやりとしたキャラクターで、数々の失敗が聞く者の笑いを誘います。こうした落語のストーリーから、「役立たず」「愚か者」の代名詞としていわれるようになりました。

与太郎は嘘やでたらめな話をする人物でもあり、与太郎が話すような内容を「与太話」と表現されたことが由来とされています。

「与太話」の使い方・例文

  • 「与太話」の使い方

    与太話の使い方・例文を紹介します

与太話とは、嘘や口からでまかせ、馬鹿げた話を意味しており、人によっては都市伝説や怪談話も与太話になります。

下記で「与太話」を使った例文を紹介します。

  • 彼の与太話を信じる人物など1人もいない
    意味:彼の馬鹿げた話を真実だと思う人は誰もいない

  • そんな与太話に騙されてはいけない
    意味:そんな詐欺のような話に騙されてはいけない

  • この話は与太話ではない
    意味:この話は嘘ではない

与太話は、ポジティブな意味では使われないため、「与太話に花を咲かせる」といった表現をすることはありません。

「与太話」の類語

  • 「与太話」の類語

    与太話の類語を紹介します

「与太話」と聞いてもあまり馴染みがなくても、「ホラを吹く」「でたらめ」「たわごと」「無駄話」と聞けば意味が分かるのではないでしょうか。

そこで、ここからは「与太話」のイメージがしやすい類語について紹介します。

ホラを吹く

「ホラを吹く」とは、大袈裟なことを言う、虚言を吐くという意味を持つ言葉です。「ホラ」とは「法螺」と書き、大きな巻き貝に穴を開け、音を鳴らす道具のことです。

山伏や軍陣が連絡や合図、獣除けに用いたり、真言宗や天台宗の法会で使われたりする道具で、見た目以上に大きな音が出ます。そこから、大袈裟なこと(大言を吐く)を言う意味でホラを吹くと言われるようになり、ホラを吹く人のことをホラ吹きというようになったといわれています。

例文

  • 彼は大ホラ吹きだといわれている

でたらめを言う

でたらめを言うとは、思いつくままにでまかせを言うことを意味します。

でたらめは漢字で「出鱈目」と書かれますが、当て字であるため鱈とは関係がなく、出鱈目の由来は「サイコロの出た目」だといわれています。「サイコロを振り、出た目の通りにする」の意味から、行き当たりばったりでいい加減であることを意味するようになったという由来があります。

例文

  • あの人はでたらめを言うのであまり信用しない方がいい

たわごと

たわごととは、たわけた言葉や馬鹿馬鹿しい話、ふざけた話という意味を持つ言葉です。 「たわ」には「馬鹿げた」「常軌を逸した」などの意味があり、漢字では「戯言」と書きます。 戯言の読みにはたわごとの他にも、「ざれごと」「けげん」「ぎげん」という読み方もありますが、「けげん」と「ぎげん」はあまり一般的ではないので注意しましょう。

例文

  • 酔っ払いのたわごとを聞き流す

無駄話

無駄話とは、特になんの意味も利益も生まない、役に立たない話という意味を持っており、与太話の類語として最も使われる言葉といえます。

無駄話は、与太話の他にも、雑談や談笑、語り合うなどの意味合いもあります。

例文

  • 時間つぶしに無駄話をする

「与太話」と「よもやま話」の違いについて

  • 「与太話」と「よもやま話」の違いについて

    「与太話」と「よもやま話」の違いを解説します

与太話とよもやま話は、どちらも「とりとめのない話」「無駄話」という意味合いを持つ言葉です。 ここからは、与太話と、よもやま話の違いについて紹介します。

よもやま話とは

よもやま話とは、「世間話」や「種々雑多な話題」を意味する言葉です。漢字では「四方山話」と書き、元は「よもやも(四方八方・四面八面)」の音変化であり、「山」の字が付くのは「やも」が「やま」に変化した際の当て字と考えられています。

あらゆる方向、周囲のすべてを意味する四方八方(よもやも)から、「さまざま」「あちこち」などの意味となり、さまざまな話題のことを「よもやま話」と呼ぶようになりました。

「与太話」と「よもやま話」の違い

似た意味を持つ「与太話」と「よもやま話」ですが、使い方には違いがあります。与太話はネガティブな意味合いで使われる場面の多い言葉で、つまらない話や嘘、でまかせなどの意味を持ちます。

一方のよもやま話は、ポジティブな意味合いで使われることが多い言葉です。例えば、「与太話に花が咲く」とは使われませんが、「よもやま話しに花が咲く」は有名な言い回しとしてよく使われます。

「与太話」の意味や由来、使い方を覚えておこう

  • 与太話とは

    与太話の意味や使い方を覚えておきましょう

与太話とは、でたらめな話やでまかせのつまらない話、嘘の話などのネガティブな言葉として使われる言葉です。

そのため、「与太話に花を咲かせる」や、「与太話が盛り上がる」「与太話が広がる」とは表現しません。

この記事で、与太話の意味や使い方を覚えておきましょう。