「心置きなく」という言葉は、日常生活やビジネスシーンでよく耳にします。相手への気遣いを表す場合に使われることが多くさまざまな場面で使用されています。
何気なく使っている言葉ですが、本来の意味や正しい使い方をよく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「心置きなく」の意味や類義語、使い方・例文などを詳しく解説します。
「心置きなく」の意味は
「心置きなく」には、大きく分けて2つの意味があります。 1つは、他者に対して「遠慮や気兼ねをしないように」という意味です。 「心置きなくお楽しみください」というように、他者を思いやる気持ちが込められた言葉です。
もう1つは、「心残りなく、安心して」という意味です。 例えば、「明日は休みなので、心置きなくお酒が飲める」と使います。これは、明日は休みなので少しなら寝坊しても平気で、今夜はゆっくり何も気にせずにお酒が飲めるという意味です。
他に気になることがないため、安心して何かができる場合に使われます。
「心置きなく」の正しい使い方
「心置きなく」は副詞のため、後に用言をつなげましょう。後ろにくる動詞や形容詞、形容動詞などを修飾する形で使用します。
例えば、「心置きなく休む」の場合、「心置きなく」の後ろにくる「休む」を修飾して説明しています。どのように=(心置きなく)、する=(休む)と説明しているのです。
動詞の他にも、「心置きなく賑やかに騒ぐ」など、言葉を合わせたり、形容詞や形容動詞を修飾するために使用することがあります。 「心置きなく」のニュアンスは、後ろに続く言葉(動詞や形容詞・形容動詞)によって少し違うため、使い方を理解して正しく表現しましょう。
「心置きなく」の例文
「心置きなく」という言葉は、使用シーンによって受け取り方が微妙に変化することがあります。 相手を気遣う言葉として使ったり、「心残りなく」の意味として使ったりと、大きく分けると2つの意味があります。
ここからは、違いやどのように使うのかを、具体的な使用例をあげて説明します。
「安心して、心残りなく」の意味で使う場合
- 明日は休みなので、今夜は心置きなく寝ていられる
休みだから安心して思う存分寝られるという意味で「心置きなく」を使用しています。
- プロジェクトが成功したので、週末は心置きなく休むことができる
プロジェクトが成功したため心残りなくゆっくり休めるという意味を表しています。
「遠慮、気兼ねせずに」の意味で使う場合
- 心置きなくお過ごしください
この場合は、相手に対しての気遣いを表現しています。「遠慮せずゆっくりくつろいでください」という意味で、「心置きなく」を使用しています。
- プロジェクトが成功したので、今日は心置きなく飲んで騒ごう
こちらの場合も、相手に対しての気遣いを表現しています。もしプロジェクトが失敗していれば心残りで楽しめませんが、プロジェクトは成功をしたため、気兼ねなく楽しもうという意味で使用しています。
「心置きなく」の類語・言い換え表現
ここからは「心置きなく」の類語について解説します。
置き換えられる言葉を多く知っていれば、さまざまな状況に応じて、微妙なニュアンスをうまく伝えられます。 幅広い言葉で表現することによって、より円滑なコミュニケーションがとれるため、いくつか覚えておくとよいでしょう。
晴れて
1つめは、「晴れて」という言葉です。「それまで困難であったことが、現在は心残りなくできる」「認められなかったことが、一転して認められるようになる」「悪い状態がよい状態になる」といった意味合いで使われることが多い言葉です。
存分に
2つめは「存分に」という言葉です。「遠慮なく、思いっきり」「他人に対して遠慮せず、自分の思うように」という意味があります。
心ゆくまで
3つめは「心ゆくまで」という言葉です。「心残りなく、満足するまで」という意味があります。
もう思い残すことがなく、これで充分だという場合に「心ゆくまで」と表現します。
憂いなく
4つ目は「憂いなく」という言葉です。「憂い」という言葉には「心配」や「気遣い」などの意味があります。「憂いなく」とは、「憂い」に「なし」が合わさった言葉であり、心配や、心残り、悔いなどが「無い」という意味です。
少し寂しさや儚さなど、複雑な感情が混じったニュアンスを伝えたい場合などに使用されることが多いでしょう。
「心置きなく」の英語表現
「 英語では「心置きなく」の類義語として「心配なく」があり、 「without any worries」と表現されます。
また、「遠慮なく」は「feel free to」とも表現できます。
「心置きなく」を適切に活用しよう
「心置きなく」という言葉は、適切に使用すれば非常に便利な言葉です。 日常生活からビジネスシーンにおいて、さまざまな場面で役立つ言葉であるため、コミュニケーションをとる上で正しく活用し、表現方法の幅を増やしましょう。