おうち時間が増えたことで、全国のおいしいものを食べたい欲求を満たしてくれるのが「お取り寄せ」だ。なかでも高知県が誇るブランド鶏「四万十鶏(しまんとどり)」は、お取り寄せブームにマッチして好調に売り上げを伸ばしているという。
四万十川の清流と豊かな自然に育まれた四万十鶏のおいしさを伝えるイベントが、4月10日の「四万十鶏の日」を記念して東京・銀座の高知県アンテナショップ「まるごと高知」で開催された。その様子をレポートしよう。
高知県のうまいもの「四万十鶏」のファンが増加中
ブランド鶏と言えば、鹿児島・宮崎・岩手などが有名だが、高知の「四万十鶏」はどのような銘柄なのだろうか。
国産鶏肉や四万十鷄、奥丹波どりをはじめとした銘柄鶏を扱う三栄ブロイラー販売は、大規模養鶏や大規模処理工場とは一線を画した、小規模工場ならではのきめ細やかな仕事が評価されている昭和38年創業の老舗企業だ。コロナ禍での苦境に加え、飼料・電力・資材・物流・人件費の高騰と苦しい状況が続くなか、ピンチをチャンスに変えるべく「四万十鶏(しまんとどり)」の味を全国に広めようと、2021年11月よりECサイト「四万十鶏ふぁーむ」の展開を開始している。
「四万十鶏ふぁーむ」はお取り寄せブームにマッチし、全国からの個人販売需用も好調に推移。生産現場の量販体制増強も整ったことから、飲食店向けの販路も拡大中だという。二次加工、焼き鳥串をはじめとした加工品を提供することで、人材不足が深刻な状況の飲食業界にとっても大きな力となりそうだ。
「陸の孤島」の立地ゆえ鳥インフルエンザから防御
また、養鶏農家や動物園で近年大きな問題になっているのが鳥インフルエンザの影響だ。四万十鶏の産地である高知県は、四国山脈がそびえる「陸の孤島」として肩身の狭い思い(?)もしてきたが、今はその地理的要素が強みになっているという。そのため、鳥インフルエンザとはほぼ無縁の環境で養鶏ができているそうだ。
四万十鶏は肉質が良好で、風味も良いと評判だ。その秘密はどこにあるのだろうか。
まず、エサが挙げられる。独自開発のエサにより、臭みの少ない鶏肉に仕上がる。その後の加工も抜かりない。「鶏マイスター」と呼ばれる職人が、今や珍しい手作業で丁寧に捌く。「大規模工場による機械処理では見ることができない切り口です」と同社は自信を見せる。確かに、高品質の鶏肉は断面が「立っている」。
また、ECサイトを通じて全国各地でファンを増やしている理由が「鮮度」だ。最新の冷凍技術である「凍眠凍結」技術を採用し、マイナス30度の液体アルコールで一気に冷凍。従来の凍結法との比較ではコクが20%もアップしたという話もある。
四万十鶏商品は、使い勝手の良い小分けパックで届くため、使いたいときに使いたい分だけ使える。また鶏肉だけではなく、新商品の「よさこいチキン 四万十鶏ボーンブロススープ」も見逃せない。食塩・砂糖・香料・化学調味料など一切無添加なので、制限食、離乳食などにも使えそうだ。
高知の鶏料理「へそまがり」「チキン南蛮」を知っている?
高知県のアンテナショップ「まるごと高知」内のレストラン「TOSA DINING おきゃく」で実施された試食会では、工夫を凝らした四万十鶏の料理が紹介された。
高知には、鶏ムネ肉を使用した「へそまがり」と呼ばれるローカルフードがある。おやつ感覚でいくらでも食べられそう。
こちらは油で揚げずにオーブンで焼いた「へそまがり」。ムネ肉ということもあり、よりさっぱりとした味わいだ。
から揚げにすると、四万十鶏の風味が強調されて、さらに美味しく。
宮崎県のローカルフードというイメージが強いチキン南蛮だが、高知県でも楽しまれているという。宮崎のはタルタルソースだが、高知スタイルはオレンジ色が鮮やかなオーロラソース!
四万十鶏のお手軽レンチンたたき風。家庭でも、ポン酢、高知名物の「ニンニクぬた」(ニンニクの葉と酢味噌を和えたもの)、そしてチーズを乗せてレンジ調理で再現できる。こだわりの冷凍技術で自宅でもおいしく楽しめそうだ。
4月10日は四万十鶏の日! 期間限定のフェアも開催
東京・銀座にある高知県のアンテナショップ「まるごと高知」では、4月10日の「四万十鶏の日」にあわせ、4月14日までの期間限定で「四万十鶏」フェアを開催中だ。「まるごと高知」2階のレストラン「TOSA DINING おきゃく」では、4種のソースで楽しむ「チキンステーキ」(1,000円)のほか、四万十鶏の「3種のつくねハンバーグ」(1,000円)、「つくね」「パテ」(各800円)といったメニューを提供する。
高知県の大自然に育まれた四万十鶏、お取り寄せや飲食店で、ぜひ楽しんでみてはいかがだろうか。
高知県アンテナショップ「まるごと高知」
東京都中央区銀座1-3-13 オーブ プレミア