NEXCO西日本とJR西日本は、共同で開発を進めていた新たな「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」(通称「次世代SATUZO」)について、実運用で効率化が確認されたと発表した。

  • 新たな「新幹線用トンネル覆工表面検査システム(次世代SATUZO)」の撮影イメージ

このシステムは、JR西日本が2002年に導入した新幹線用トンネル覆工表面検査システム(SATUZO)に、NEXCO西日本が保有する道路トンネル覆工点検システム「eQドクターT」の技術を取り入れ、共同開発したもの。トンネルの断面に対応した角度で配置した9台のラインセンサカメラにより、1回の走行でトンネルの半断面を撮影し、上下線を往復して撮影することでトンネル全体をひとつの画像として出力できる。開発を終え、3月から実運用を開始している。

両社によれば、50km/hでも0.5mmの幅のひび割れを撮影でき、これまで3~5km/hだった撮影速度が大幅に向上したという。撮影速度の向上効果を発揮させるため、トンネル形状や位置情報を付与した撮影計画にもとづき、録画の開始・停止とレンズ制御を自動化している。レンズのオートフォーカス制御も実装した。

  • 「次世代SATUZO」の撮影システム

  • 従来の撮像車両(写真左)と新たに開発された撮像車両(次世代SATUZO)

強固な防水構造のため、雨天時でもトンネルとトンネルの間で装置を収納する必要がなく、これまで必要としていた地上作業も省略できるという。