第一三共ヘルスケアでは、新製品「ロキソニンSプレミアムファイン」を3月8日より販売している。速攻+つらい生理痛のメカニズムを考えた鎮痛剤になっているという。そこで都内では4月7日、テレビCMに出演する女優の石原さとみさんらを招いた商品発表会をあらためて開催。新たに立ち上げた「みんなの生理痛プロジェクト」の進捗状況についても紹介した。
■女性のQOL向上に貢献
その冒頭、登壇した第一三共ヘルスケア 代表取締役社長の吉田勝彦氏は、ロキソニン内服薬シリーズについて「医者から処方される医療用のロキソニンとして1986年に始まったブランドです。スイッチOTC医薬品として市販化したのが2011年のことでした。それ以来、生活者の様々な痛みのニーズにお応えしてきました」と紹介。現在までの出荷個数は、内服薬シーンのみで累計1.3億個を突破しているという。
女性の社会進出にともない、これまであまり認識されてこなかった”生理痛”が女性特有の健康課題として注目され始めています、と吉田氏。そこで同社では3月8日、社会全体で生理痛の理解が深まることを目指す「みんなの生理痛プロジェクト」を立ち上げた。
イメージキャラクターには「ロキソニンSプレミアムファイン」のテレビCMにも出演している石原さとみさんを起用し、今後、ブランドメッセージ広告を積極的に展開していくとする。吉田氏は「今後もロキソニンシリーズでは、解熱・鎮痛薬のリーディングブランドとしての自覚をあらたに、痛み、悩む1人でも多くの女性のQOL向上に貢献していきます」と結んだ。
続いて同社 ブランドマネージャーの土合桃子氏が登壇。「女性が生涯に経験する生理痛の回数は、現在、約450回とも言われています。昔の女性と比較して約9~10倍も回数が増えており、この要因として晩婚化、妊娠・出産回数の減少などが挙げられます」と説明する。生理痛やPMS(月経前症候群)といった不調を経験する期間も長くなっているという。
「ロキソニンSプレミアムファイン」の特徴は3つ。まず、生理痛のメカニズムに着目した独自の処方設計で辛い痛みに早く効く。そして、胃を守る成分を配合しているので胃に優しい。さらには、眠くなる成分やカフェインを含んでいないので服用シーンを選ばない。
「血行不良・冷えにともなう腰痛、しめつけられるような下腹部の痛み、生理周期にともなう頭痛など、生理にともなう痛みの悩みに寄り添い、より良い生活を送っていただくための一助として貢献していきます」と土合氏。
ここで同氏は、生理・生理痛に関する実態調査の結果も公表した。それによれば、生理痛を経験する女性の9割以上が「何らかの我慢をしている」ことが明らかになったという。その理由としては「これまで我慢してきたから」「我慢するのが当たり前だと思ってきたから」という声が多かった。
「調査対象のすべての方に、生理や生理痛に対する気持ちを聞いたところ、9割以上の方が『生理や生理痛に悩んでいる人がいることを理解してほしい』と答えました。職場で生理痛への理解が得られずにショックだった、生理痛には個人差があり日常生活に支障が出るほど辛い人もいることを分かってほしい、生理痛は性別に関係なく知識を持つべきものだ、といった声が寄せられています」(土合氏)。
同社では今後「みんなの生理痛プロジェクト」を通じて、鎮痛薬の処方について、また婦人科の受診方法など、適切な情報提供を行っていく考え。同時に、当事者の周囲に対しても生理痛の正しい知識が広がるようなサポートを行っていく。「ブランドメッセージは『#生理痛を甘く見ないでほしい』です。すでに痛みと鎮痛薬に正しく向き合うためのコンテンツ『知っておきたい! 鎮痛薬のウソ・ホント』を公開していますが、本日より『みんなの生理痛相談室』『MY生理カルテ』も追加しました。今後も順次、コンテンツを拡充してまいります」と紹介した。
■周りがどれだけ想像力を持てるか
このあと、産婦人科医の高尾美穂氏が登壇。MCを務めた、フリーアナウンサーの吉田明世さん、NON STYLEの石田明さんと共にトークセッションを行った。
高尾氏は「卵巣が作るホルモンが、赤ちゃんが乗っかるためのベッド(=子宮内膜)を準備します。けれど赤ちゃんが乗っからなかったとき、それが剥がれて身体の外に排出される。これが月に1度やってくる生理です。剥がれた内膜を体外に押し出すため、子宮の筋肉が動きます。でもこの筋肉、本人の意思では動かすことができないんですね。そしてボトルをぎゅーっと握りつぶすような形で押し出すわけですが、この力(プロスタグランジン)が強すぎると、下腹部が締め付けられるような痛みになる。胃も圧迫されるような感覚があり、吐いてしまう原因にもなります」と説明する。
生理=病気ではないけれど、日常生活に支障をきたすような重い生理痛は医学的には「月経困難症」と呼ばれます、と高尾氏。「妊娠や出産、結婚後の人生にも関わることもあります。生理痛が治まって、落ち着いてからでも良いので、重い生理痛でお悩みの方はぜひ、産婦人科のところに来てほしい」と呼びかける。
アナウンサーの吉田さんは「私も10代、20代の頃はひどい生理痛に悩んでいました。学校でも色いろ生理について学んでいましたが、自分ごとに結びつけて考えられていなかった。痛いアピールはしたくない、と強がっていた部分もあったと思います。あの当時の自分に言ってあげたいのは、そんなに悩んでいるのなら産婦人科に行きなさいよ、ということですね」と振り返る。ちなみに調査結果では、生理痛に悩む女性の7割強が「生理痛で産婦人科を受診したことはない」と回答しているとのこと。
石田さんは、結婚して10年になり夫婦で生理について話す機会も増えたと話す。「奥さんの肌の状態だったり、イライラだったり、すべてホルモンが関係してたんやなと。だから男性も生理を理解することがとても大事だな、ってあらためて思うんです」と理解を示す。そして、ごく稀になんですが、としたうえで「女性って、こっちから『大丈夫?』って声をかけたとき、余計に機嫌が悪くなるときないですか?」と2人に質問。
これに高尾氏は「それは大丈夫ではないけど、大丈夫と答えるしかないから(笑)。『大丈夫? なんかしようか?』と聞いてもらえたら良いんじゃないかしら」と回答した。「ざっくりで良いので、女性は体調が悪い時期がある生き物なんだ、と理解しておいてもらえたら。今日はどうも奥さんの機嫌が悪そうだ、というとき、ひょっとしたら体調が悪いのかも知れない。機嫌が悪そうな人にかける言葉と、体調が悪そうな人にかける言葉って、まったく違いますよね。だから、男性がどれだけ想像力を持てるか、それがこの先の社会が温かいものになるかどうかの分岐点だと思うんですよ」(高尾氏)。
■社会全体で取り組んでいくべき
このあと、テレビCMに出演する女優の石原さとみさんが登壇。CMの撮影秘話などを明かした。
CMは「幕開け」篇と「オノマトペ」篇の2種類を撮影したという。オノマトペ篇では、生理の痛みは人それぞれということを表現するために「ズーン」「ズキズキ」「ギュー」といったボードを持った女性たちが登場する。
これについて石原さんは「痛みは人それぞれ違うんだよ、でもそんな皆さんに寄り添う商品ができましたよ、というメッセージが伝わったら良いなと思います」と話す。そして「同性でも、相手の生理の痛みを分かってあげられないときがあります。痛みの度合い、種類、感じ方って、人と比較できないんですよね……。だから私は、昨日の自分とどう違うのか、を考えるようにしています。自分の身体を知っていく作業と言いますか。これ、若いうちからやっていくべきだったなぁ、なんて思うんです」。
最後には「私にとって、生理=病気だと思うんです。そう思ってしまったほうが本気で対処すると思う。痛いって普通のことではありません。でも日本全体で、女性の何割の方が月の半分も痛みを感じながら暮らしている。もうこれは社会問題だとも思う。今後、社会全体で取り組んでいくべき問題なのかな、と思います。女性の周りの方も、優しい声かけだったり、気遣いの行動が促される社会になっていったら。今回『みんなの生理痛プロジェクト』に参加できて、本当に良かったです」と話していた。