2023年3月16日。日本中を沸かせた侍ジャパンがWBC準々決勝でイタリアと負けられない戦いを繰り広げる中、フジテレビ湾岸スタジオでも芸人たちの熱いバトルが行われていた。

それは、9日にスタートする新たな深夜バラエティ番組『深夜のハチミツ』(毎週日曜25:25~ ※初回は26:05~、関東ローカル)の初回収録。入社7年目以下の若手ディレクターが、まだ世の中で花開いていない“つぼみ芸人”たちとタッグを組み、新たな看板バラエティを目指す番組で、賞レースで上位に食い込む実力派から、まだ養成所に通う結成1年目のフレッシュ芸人まで、ほぼ全員が20代という総勢16組が火花を散らす、異様な熱気に包まれていた――。

  • 進行の小室瑛莉子アナ(左)と“先輩芸人”の千鳥 (C)フジテレビ

    進行の小室瑛莉子アナ(左)と“先輩芸人”の千鳥 (C)フジテレビ

■「マジで楽しくやって伝説残しましょうよ!!」

担当ディレクターから「大変お待たせしました! 『深夜のハチミツ』初回収録になります、よろしくお願いしまーす!!」という声が飛ぶと、一斉に雄叫びを上げる若手芸人たち。続けて、進行の小室瑛莉子アナウンサーが「この番組は、まだ世の中で花開いていない“つぼみ芸人”さんたちが、華のある芸人を目指す“芸人開花バラエティ”でーす!」と紹介すると、一段と大きな「うおーー!!」がスタジオに響き渡った。

ここで、4月の“先輩芸人”として千鳥が登場。小室アナが「現在のレギュラー番組は2人合わせて驚異の14本! 年収はおそらく5億超え! 今芸能界で最も華があって面白い“大花咲き芸人”、千鳥兄さんでーす!」と紹介すると、「5億!」「5億!」のコールに迎えられながら2人はスタジオセットへ。

大悟が「すごい豪華なスタジオで」と驚く一方で、ノブは「ここで前のめりできなかった人たちは、10年潜ります」と忠告。それを聞いたミスター大冒険。の井福一礼(浅井企画)は「一言いいっすか? マジで楽しくやって伝説残しましょうよ!!」と早速、前のめりっぷりを見せつけた。

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第1回の企画は「ショートネタ 無限ループ」。04 Limited Sazabysの楽曲「Honey」の「♪くるくるくるくる回り続ける」という一節を出囃子にして、スタジオ内を回転するように列を作ってお立ち台に入れ替わり、次々と15秒程度のショートネタを披露していく。

「もう一周」「お疲れ様」の札を持った審査員の千鳥が、1人でも「もう一周」の札を上げれば、その芸人は引き続き回転の列に入り、再び順番が来たらネタを披露。最後まで残った1組に、最も華(花)のあった証しである「バッチ」ならぬ、蜂型の「はっち」が贈呈される。

■最後は壮絶な打ち合い…17分半の想定が1時間弱に

いざ始まると、披露されたネタは、あるある、絶叫、ハイテンション、ローテンション、ピンギャグ、スゴ技、セクシー、ミニコントと、実にバリエーション豊か。1周目は次々に合格を勝ち取り、大悟は「ほんまは5組やで」と温情審査だったことを示唆したが、2周目に入ると小道具や扮装などが増えていき、ネタに手が込んでくる。列に並ぶ中、ライバルたちのネタを見る者もいれば、背中を向けて自分たちのネタの打ち合わせをする者もおり、オーディション会場のような生々しさも垣間見られた。

回数を重ねるごとにネタの弾が切れていくのもあって、徐々に「お疲れ様」×2で不合格となる芸人が出てくる。列から外れた者は、スタジオセットの外から見守ることになるが、戦ってきた相手に「俺たちの分まで頑張ってくれよ!」とエールを送る姿も。こうして、不合格者がやってくるたびに「ナイスナイス!」「よく頑張った!」とハイタッチで迎えるようになり、いつしかオリンピックのスケートボード競技のような“戦友感”が生まれていた。

一方で、勝ち残った芸人たちはし烈な戦いが続く。人数が少なくなればなるほど、ネタ披露のインターバルが短くなっていき、体力も削られているはずだが、激しい動きでネーププレートが外れてしまう者も続出。最後の一騎打ちは壮絶な打ち合いとなり、想定収録時間17分30秒だったところ、フタを開ければ1時間弱ノンストップでネタが放たれ続けていた。

30分番組にもかかわらずまさかの大熱戦で、ノブは「合格してるのに、放送されない子もいると思う(笑)」と同情。カットされたネタは、番組SNSで個別に配信される予定だ。

こうして散々ネタを見た後に、小室アナが「最後にもう一度見たい芸人のショートネタでお別れしましょう」と締めコメントをすると、大悟はついに「もうええよ! 野球見たい!!」と本音が爆発。この収録の最中、『テレビ千鳥』でプレーした「大谷バント」がWBCで現実に起こったことをリアルタイム観戦できなかったが、芸人たちの熱戦を間近で見られたことにも満足しているようだった。

4月の“つぼみ芸人”は、アケガラス、足腰げんき教室、ウォーターズ、江戸マリー、9番街レトロ、サンタモニカ、シスター、千年ぶり、ソマオ・ミートボール、タイムキーパー、どんちっち、生ファラオ、はるかぜに告ぐ、ビックシカゴ、マリーマリー、ミスター大冒険。の16組。『M-1グランプリ2022』で準々決勝に進出した9番街レトロ、タイムキーパー、どんちっち、生ファラオといった、ネタに定評のあるコンビから、芸歴1年目の千年ぶり、はるかぜに告ぐなど、スーパーフレッシュな若手まで、個性豊かなメンバーが集結する。

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