俳優の木村拓哉が、8日からHuluで第7話・最終話が配信される大型国際ドラマ『THE SWARM/ザ・スウォーム』の撮影秘話を語った。
今作が海外ドラマ初出演となった木村は「出演の声をかけていただけてうれしかったです。撮影の場に身を置いてみて感じたのは、作品にかける現場の雰囲気というのは、どこの国でもどの場所でも同じものなんだということ」と振り返る。
撮影中は制作サイドが楽屋提供を申し出るも、丁重に断り、常に現場のすぐそばに寄り添い続けた木村。製作総指揮のフランク・ドルジャー氏はそんな木村に対して、「おかげで撮影時間を短縮し、演出の幅を広げることができた。より良い作品を作りたいという思いからそうおっしゃってくださり、これが本当のプロフェッショナルだなと感心しました」と語っていたが、そんなフランク氏について木村は「包容力もあり、非常に丁寧な方。現場にずっといて、全員を見てくれていて、困っている人がいないかなど、しっかりとアンテナを張ってくれていたので、一緒にお仕事ができて本当に恵まれているなと感じました」と称賛した。
また、共演者でシグル・ヨハンソン博士を演じたアレクサンダー・カリムとのリモート会議でのシーン撮影に関して、「アレックスが撮影現場に来て、カメラの横で会話や相槌を打ってくれたのでものすごく助かりました」と回答。各国のキャストたちが一堂に会したシーンの撮影も、「みんなのコミュニケーションやディスカッションに食らいついていく感じでした」と振り返り、充実した笑顔を浮かべた。
自身が演じたアイト・ミフネの名前は、木村が提案したのだという。「海が舞台のストーリーで、“船”という言葉も含まれているので、日本を代表する俳優さん(=三船敏郎)の名を借りて“ミフネ”はどうでしょうと提案したら、みんな受け入れてくれました」と、その経緯を明かした。
そして、「作品内では“海”が人類に対して色々な形でメッセージを送ってきます。海洋異変を描いたシーンの脚本を読んだときは、どうやって映像化するんだろう?と思っていたのですが、実際の映像は想像以上の仕上がりになっていました。“自然がもし人類に対して本気で怒ったらこんなに怖いことが起きるんだよ”というのがリアルに実感できると思います」と注目してほしいポイントに言及。
特に印象的だったシーンとして「未知の知的生命体が、人間の起こした行動に対して怒るシーン」を挙げ、「海面が突然表情を変えて、ものすごい衝撃とスピードと色を発するのですが、人間の想像力があればVFXを使って何でも具現化できるんだなと実感しました」と、その迫力をアピールした。
そんな木村は、今作への出演をきっかけに、“海”に対する向き合い方が変わったのだそう。「東京湾でクジラが発見されたとか、千葉の海岸でイルカが打ち上げられたといったニュースを見て、『それはなぜなのか?』『その背景には何があるのか?』ということをより深く考えるようになりました。海をしっかりと“向き合う相手”として考えて、人間同士と同じように、相手の立場に立って考えることが大事だと思います」と力強く語った。