ダイヤモンド・ヒューマンリソースは4月4日、「就職人気企業ランキング調査」の結果を発表した。調査は2022年11月1日~2023年3月9日、2024年3月卒業(修了)予定の大学3年生および大学院1年生5,093名を対象に、メールと手渡しによるアンケート方式にて行われた。

  • 文系男子

    文系男子

学生に、就職希望企業先を志望順に8社まで選んでもらった結果、文系男子では、「伊藤忠商事」が4年連続の1位に輝いた。次いで、2位「三菱商事」、3位「三井物産」、4位「丸紅」、6位「住友商事」と、トップ10に総合商社が5社ランクイン。総合商社は、ウクライナ情勢による資源・エネルギー価格の高止まりを受け、2022年3月期決算では大手7社が過去最高益を達成。23年3月期においても三菱商事、三井物産、丸紅の3社が過去最高の純利益を見込んでいる。

また、大手金融機関は「三井住友銀行」が5位、「大和証券グループ」が9位となったほか、7位「東京海上日動火災保険」、8位「三井住友海上火災保険」、10位「損害保険ジャパン」とメガ損保が人気を集め、トップ10に5社がランクインした。

  • 理系男子

    理系男子

理系男子でも、「伊藤忠商事」が1位を獲得。また、3位「三井物産」、4位「三菱商事」、8位「丸紅」と総合商社4社がトップ10入り。上位の総合商社は毎年一定数の理系学生を採用しており、幅広い事業フィールドの中で活躍する理系のロールモデルも豊富となっている。

また、DXを経営戦略の要に位置付け、新たなデジタル技術やデータを活用したサービスの変革を進める不動産デベロッパーも人気を集め、「森ビル」(2位)、「三井不動産」(5位)、「NTT都市開発」(6位)、「三菱地所」(7位)と4社が上位にランクインした。

このほか、システム開発の「Sky」(9位)、メガバンクの「三菱UFJ銀行」(10位)がトップ10入りした一方で、電機、自動車、重工業などの大手メーカーの人気は全般的に伸び悩ぶなど、従来、入社後に専攻を活かせるかどうかを重視する傾向が強く見られたが、学生の志向が多様化している様子がうかがえるランキングとなった。

  • 文系女子

    文系女子

文系女子のランキング1位は、こちらも「伊藤忠商事」で、文・理系男子と合わせて3冠を達成。また、「丸紅」(2位)、「三井物産」(3位)、「三菱商事」(5位)と、文系女子においても総合商社人気の高さがうかがえる結果に。

また、伝統的に女性採用数の多い大手金融機関は、「東京海上日動火災保険」(6位)、「三菱UFJ銀行」(8位)、「大和証券グループ」(9位)、「日本生命保険」(10位)と4社がランクイン。航空業界からも、4年ぶりに客室乗務職採用を復活させた「全日本空輸(ANA)」(4位)、「日本航空(JAL)」(7位)の2社がトップ10に返り咲くなど、憧れ志向の復活も垣間見えるランキングとなった。

  • 理系女子

    理系女子

理系女子では、「森ビル」が後半戦調査で3年連続1位となったほか、「NTT都市開発」(2位)、「三井不動産」(4位)、「三菱地所」(10位)と内需型で好業績の続く不動産デベロッパー4社がトップ10にランクイン。

総合商社は、「伊藤忠商事」が3位となったほか、「丸紅」が9位に。文系女子で大幅に順位を上げた航空業界からは、「日本航空(JAL)」が5位、「全日本空輸(ANA)」が7位に名を連ねたほか、「東京海上日動火災保険」(6位)、「三菱UFJ銀行」(8位)といった女性が安心して長く働ける環境に定評のある大手金融機関も順位を上げた一方で、理系女子で従来高い人気を誇ってきた食品業界はトップ10には入らなかった。