8日のテレビ朝日系ドキュメンタリー番組『テレメンタリー2023』(テレビ朝日4:50~、地域により放送時間が異なる)では、 熊本朝日放送制作の「内密である理由~ひとつだけの命の現場から~」を放送する。

  • 『テレメンタリー2023』「内密である理由~ひとつだけの命の現場から~」=テレビ朝日提供

熊本市にある慈恵病院の産科医、蓮田健院長は前例のない出産を決断し、2021年12月、国内で初めてとなる「内密出産」で1人の赤ちゃんが生まれた。内密出産は、匿名を望む女性が病院にのみ身元を明かし出産する仕組み。全国で後を絶たない赤ちゃんの遺棄・殺人事件に心を痛めた病院は、2007年5月に親が育てられない子どもを匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご」の運用を開始した。これまでに161人の幼い命が預けられたが、その半数以上が母子ともに命が危険にさらされる自宅や車などでの出産だった。

病院で安全に産んでもらおうと独自に導入に踏み切った内密出産だが、法律の裏付けはない。国からガイドラインが示されたものの課題は多く、未だ手探りの運用が続いている。

予期せぬ妊娠に直面し、誰にも相談できない事情を抱え、病院を頼るしかない女性たちからのSOSは絶えない。これまでに9人の赤ちゃんが内密出産で生まれた。国内で唯一内密出産に取り組む病院の苦悩、事情を抱え病院に行きつく母子の命を見つめる。